東日本大震災アーカイブ

除染と中間貯蔵施設 除去土壌たまり続ける 仮置き場確保難航 庭や学校で一時保管

 東京電力福島第一原発事故に伴う除染で発生した除去土壌の仮置き場と現場保管の箇所数は4月末現在、全域が国直轄の除染地域となっている7町村を除く52市町村で1万3550カ所に上る。このうち、住宅敷地内などでの現場保管数は1万3082カ所。昨年12月末現在の前回調査に比べ、2・7倍に増えている。

 除染作業の本格化で、放射性物質を含む除去土壌などは増え続けている。除染後の土壌は中間貯蔵施設に搬入されるが、施設整備の見通しが立たない上、仮置き場の確保も難航している。大量の汚染廃棄物が行き場を失い、自宅の庭、学校敷地などの生活空間で一時保管するしか、除染を推進する手立てがなくなっているのが現状だ。

 52市町村の仮置き場と現場保管の4月末現在の箇所数は【上表】の通り。現場保管は中通りの都市部で目立ち、最多は福島市の5894カ所。内訳は住宅、事業所などが5359カ所で9割超を占め、公園などが318カ所、学校などが217カ所となっている。一方、仮置き場は7カ所にとどまっており、現在進められている除染作業はほとんど仮置き場が決まらないまま行われている。

 郡山市は仮置き場を設置できておらず、土壌など全てを住宅敷地など3350カ所に現場保管している。土壌は同じ敷地に埋めたり、シートなどで放射線を遮る措置を施して地上に置いたりしている。

 除染実施計画に基づく仮置き場は52市町村のうち31市町村の356カ所。前回調査より230カ所増えているが除染の市町村発注は軌道に乗っており、現場保管の増加傾向が続くとみられる。仮置き場や現場で保管している土壌量は分かっていない。

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 国の財政措置を受けて除染する「汚染状況重点調査地域」に指定された40市町村で、住宅除染を終えたのは7月末現在、4万4255戸となった。前月よりも8369戸増えた。

 7月末現在の40市町村ごとの除染状況は【表】の通り。住宅除染が計画されているのは25万2233戸で、前月よりも1万3369戸増えた。計画に対する完了率は17・5%となっている。

 この他の除染完了率は公共施設が63・6%、道路が30・1%、水田が81・0%、畑が52・8%だった。

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