東日本大震災アーカイブ

避難区域の市町村長に聞く 富岡 宮本皓一町長 生活環境の改善支援

 -町の課題は。

 「全町避難が続く中、町民の生活環境の改善が最優先だ。原発事故前の町では、庭付きの一戸建てに暮らす住民がほとんどだった。仮設住宅や都市部の借り上げ住宅での生活とは大きく異なる。特に高齢者は不自由な暮らしが長引いた影響で、足腰が弱るなど今後の健康に不安を抱えている人が多い。避難先で体を動かせるような環境づくりを町が支援していきたい。子どもの遊び場づくりも必要だと感じている。心身共に健康で町に帰れるようにしたい」

 -帰還に向けてのプランは何か。

 「少なくとも事故から6年間は帰らない方針だ。今から残りの3年半については、除染に2年、ライフラインの復旧に1年半かかると見込んでいる。早ければ今月下旬から富岡川以南の居住制限、避難指示解除準備の両区域で除染作業が始まる見通しだったが、計画の見直しが予定されており、遅れも生じかねない。さらに、町内には高線量の地区が点在する。今後の除染でどれだけの線量が下がるかを検証する」

 -復興に向けた意気込みを。

 「今月下旬から町政懇談会を開き、町民の声を広く聞くつもりだ。住民に対する最高のサービス機関として復興にまい進したい」

カテゴリー:震災から2年6カ月