東日本大震災アーカイブ

避難区域の市町村長に聞く 南相馬 桜井勝延市長 汚染水対応 国が責任

 ―福島第一原発の廃炉作業はトラブル続きだ。

 「汚染水の流出で、東電の対応は既に破綻している。原発の安全神話を流布した国が責任を全面的に持ち、早急に対応策を打ち出すことが必要だ。汚染水への対応を含め、原発の廃炉に向けた作業の進捗(しんちょく)は避難している住民の帰還意識につながる重大な課題。国と東電は切迫する問題として受け止め、全力で解決に取り組む姿勢を示すべき」

 ―復興状況は。

 「市内の避難区域では平成25年度中に市が実施する社会基盤の応急復旧が完了する予定だ。さらに国や県と力を合わせて、除染やがれき処理、防潮堤の整備を早急に進めたい。常磐自動車道やJR常磐線などの交通網整備を強力に推進すれば、26年度以降の避難区域の解除も見えてくるのではないか」

 ―住民帰還に向けた施策は。

 「来年4月には避難区域にある小高区の病院で一部診療の再開を計画している。医療、教育や雇用、住居の確保のほか、再生可能エネルギーを活用したまちづくりなど住民が安心して生活していくための施策を実施する。市民一人一人の声を大切にして復興に向けて一歩一歩進んでいく」

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