東日本大震災アーカイブ

避難区域の市町村長に聞く 双葉 伊沢史朗町長 国、東電は危機意識を

 ―福島第一原発の廃炉作業をどう見ているか。

 「廃炉作業や汚染水処理は、東電や国が場当たり的な対応になっていると感じる。問題が発生すると『これまでに経験がない』と理由を挙げるが、もっと危機意識を持ち取り組むべき。気候や地域の特徴を知る地元自治体や住民の意見に、もっと耳を傾けてもらわなければ困る」

 ―町内の除染は進んでいるか。

 「国のモデル除染により、画期的で効果がある方法が確立されてから行うべきと考えてきた。原発事故から2年半が経過し、モデル除染の実施予定の町内数カ所に加え、追加を要望している」

 ―埼玉県加須市に避難所がある。

 「生活者の健康や衛生面を考えると、長期間の生活には向かない。県や埼玉県と協力し、避難所周辺の借り上げ住宅に移れるよう対応している」

 ―町の課題は。

 「中間貯蔵施設の整備は、国が町民に理解してもらう努力を続けることが大事だ。そのため、現地調査の全町民向け説明会の開催を求め、実施した。国は誠意ある交渉をしてほしい。全町民の避難生活は長期化している。ストレスのケアなどに努めたいが、人材不足のために十分な対応ができない。国や県に応援を求めたい」

カテゴリー:震災から2年6カ月