東日本大震災アーカイブ

ドキュメント(8月11日〜9月10日)

■8月11日
 ・石原伸晃環境相は東京電力福島第一原発事故に伴う除染で出た汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設整備について「何よりも福島県をはじめとする皆さま方が、福島県のために自ら行動するという認識をしっかり持っていただくことが重要」と述べた。福島市で開いた福島復興再生協議会でのあいさつ。施設設置の遅れについて地元自治体に責任があると誤解されかねない発言

■12日
 ・復興庁は、県が東日本大震災と原発事故からの産業再生に向けて求める医療関連産業集積のための補助制度創設など最重点5項目について、関連予算を来年度予算編成の概算要求に盛り込む方向で調整に入った
 ・福島第一原発1号機海側に新設した観測用井戸の水から放射性物質が検出されたことについて、原子力規制委員会は、都内で開いた特定原子力施設監視・評価検討会の汚染水対策検討作業部会で、東電に汚染水の流出元特定に向け新たな井戸を掘削するよう指示

■14日
 ・原子力規制委員会は、福島第一原発の廃炉作業の安全対策をまとめた東電の実施計画を認可。今後は安全管理を確認し、事態に変化があった場合などに、東電に計画変更を命令できる。実施計画の留意事項は汚染水の海洋流出防止、不安定な状態にある原子炉の監視など全12項目。東電に順守を求める
 ・原発事故に伴う県の東電への損害賠償請求で、県は平成23年度一般会計予算に関する損害のうち、食品の放射性物質検査経費9918万円余を東電が支払うことで合意したと発表。一般会計予算の損害での賠償金支払いは初

■16日
 ・10月にニューヨークを訪問する「うつくしま復興大使」は、緑川5月さん(14)=浅川中2年=、遠藤涼香さん(16)=平商高2年=、神田武宜さん(52)=湯川村、道の駅駅長=の3人に決まった。震災と原発事故からの再生を目指す県民の思いを世界に発信する

■17日
 ・全町避難している富岡町の上手岡麓山神社の火祭り盆踊りが郡山市の富田町若宮前仮設住宅で行われ、震災と原発事故後初となる盆踊りに町民の笑顔が広がった。

■18日
 ・原発事故の自治体賠償で、県内49市町村が請求した342億円に対し、東電の支払いは24億円(7%)にとどまることが福島民報社の調査で判明した

■19日
 ・東電は、福島第一原発の原子炉冷却に使った後の汚染水を貯蔵するタンク周辺で水たまりが見つかり、真上約50センチで最大毎時100ミリシーベルトと非常に高い空間線量を計測したことを明らかにした

■22日
 ・原発事故の被災者を支援する「子ども・被災者支援法」の成立後、1年以上が経過しているのに、国が支援の基本方針を示さないのは違法として、国を訴える方針を示していた本県の住民と自主避難者ら16世帯19人は、東京地裁に提訴した
 ・福島第一原発で地上タンクから高濃度汚染水が漏れた問題で、東京電力は敷地内にある同じタイプのタンクを点検した結果、2基の底部表面に最大毎時100ミリシーベルトの高線量の箇所があるのを確認。汚染水漏えいの可能性もある
■23日
 ・福島第一原発の汚染水外洋流出問題で、政府は汚染水処理対策委員会を開き、専門家や技術者らと議論したが、抜本的な対策は打ち出せなかった

■24日
 ・福島第一原発の汚染水外洋流出問題で、東電の相沢善吾副社長は、漏えいがあった地上タンクと同型約300基の交換検討を明らかにした

■26日
 ・福島第一原発の汚染水流出問題で、茂木敏充経済産業相は、緊急性が高い汚染水対策に平成25年度予算の予備費を活用し迅速に対応する方針を示した
 ・原発事故のため、東京都府中市で避難生活を送る富岡町の小林亨輔君(13)=府中六中1年=が所属する野球チーム「武蔵府中リトルリーグ」は、米ペンシルベニア州ウィリアムズポートで開かれたリトルリーグの世界選手権で優勝、世界の頂点に

■28日
 ・福島第一原発の汚染水流出問題を受け、茂木経産相は、くみ上げた汚染水から約60種の放射性物質を取り除くことができる「多核種除去設備(ALPS)」の増設を国の責任で進める考えを明らかにした
 ・原子力規制委員会は、福島第一原発の地上タンクから高濃度汚染水が300トン漏れた問題で、国際的事故評価尺度(INES)で8段階の下から4番目のレベル3(重大な異常事象)に評価見直しを決定
 ・田村市の冨塚宥けい市長は同市都路町の避難指示解除準備区域の解除時期について、11月1日が妥当とする考えを示した。現在、実施されている長期の特例宿泊が10月末で終了することから、引き続き住民が自宅で生活することが望ましいとした。(7面に復興クローズアップ)

■29日
 ・原発事故の避難者を支援する「子ども・被災者支援法」の支援対象地域に、中通りと浜通りの避難指示区域などを除く33市町村を指定する基本方針案が明らかになった

■30日
 ・平成26年度予算の概算要求で、県が国に予算要望した医療機器関連産業の集積に向けた県独自補助制度の創設に20億円など、10項目がほぼ盛り込まれた

■9月1日
 ・震災と原発事故後、初の県総合防災訓練は、二本松市の県立霞ケ城公園などで行われた。「防災の日」に合わせ3年ぶりに実施

■2日
 ・国連と国際環境NGO「グリーンクロス・インターナショナル(GCI)」は、危機対応で優れた貢献をした個人ら対象の2013年「グリーンスター賞」を、原発事故後に住民を安全に避難させた葛尾村の松本允秀村長(75)らに贈った。日本人の受賞は初

■5日
 ・東京電力は、福島第一原発で約300トンの汚染水が漏れた地上タンク付近で、地下水からストロンチウムなどべータ線を出す放射性物質が1リットル当たり650ベクレルの濃度で検出されたと発表。「汚染水が地下水に到達した可能性がある」とした

■6日
 ・除染の汚染土壌を搬入する中間貯蔵施設の建設で、環境省は大熊町と楢葉町の建設候補地で実施したボーリング調査から「設置可能」とする中間報告をまとめた
 ・福島第一原発の汚染水漏えい問題を受け、韓国政府は、本県など計8県の海産物輸入を全面禁止にすると発表。同国・アシアナ航空は11月のソウル−福島間チャーター便の運航中止を決めた

■7日
 ・会津生まれの女性・新島八重を顕彰する銅像「八重之像」が完成。

■10日
 ・福島第一原発の汚染水問題で、政府は「廃炉・汚染水対策チーム」を設置し、2カ月をめどに対応策をまとめる。首相官邸で開いた廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議の初会合でを決定した。潜在的リスクを洗い出すとともに、国内外の知見を検討し、対応策に反映させる。東京五輪招致での「政府が責任を果たす」との国際公約発言を踏まえ、迅速に対応策を示す考えだ

カテゴリー:震災から2年6カ月