東京電力福島第一原発事故に伴う営農自粛を経て、3年ぶりにコメを出荷する川内村で2日、平成25年産米の全袋検査が始まった。
検査は、村とJAふたばでつくる「川内の恵み安全対策協議会」が同JA川内支店倉庫で実施する。初日は、ひとめぼれなど約320袋(1袋30キロ入り)を測定機で測った。食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された袋はなかった。
11月下旬までに約1万6千袋の検査を予定している。このうち約1万4千袋は政府備蓄米として国が買い上げ、残りは市場に流通するか農家の自家消費用となる。
開始式に臨んだ遠藤雄幸村長は「生産者が思いを込めて作ったコメが風評に負けないよう、村として安全・安心をPRしていきたい」と述べた。
検査を見守った同村下川内の農業菅波富雄さん(58)は「放射性物質は検出されないと信じていたが、実際に数値が出なくて安心した。生産意欲が湧いてくる」と語った。
双葉郡内では今年、広野町でもコメの作付けが再開された。
(カテゴリー:福島第一原発事故)