東日本大震災アーカイブ

せき外側に漏れる 放射性物質含んだ雨水 第一原発

タンク脇で確認された水たまり(東京電力提供)

 東京電力は9日、福島第一原発の地上タンク群を囲む漏えい防止用の「せき」の外側に水たまりがあるのを確認したと発表した。せきの水を排出する弁は閉まっていたが、東電は放射性物質を含んだせき内の雨水が漏れたとみて原因を調べている。
 水たまりの大きさは縦約100センチ、横約80センチ。9日午後1時10分ごろ、作業員が巡回中、「H6」と呼ばれるタンク群脇で発見した。9日午前の巡回では異常は見られなかった。せきの水位は約12センチだったという。せきの高さは30センチあるため、コンクリートの亀裂や排水弁の金属部分のねじが緩むなどして染み出た可能性がある。
 同じせき内の水は9日の簡易検査で、ストロンチウム90が1リットル当たり140ベクレル検出された。東電の排出基準(ストロンチウム90で10ベクレル)を超えている。
 近くに海につながる排水溝はなく、東電は「海への流出はない」としている。

カテゴリー:福島第一原発事故