東日本大震災

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復興へ熱いエール 佐藤真海さん、ふくしま駅伝でスターター

ふくしま駅伝のゲストスターターを務める佐藤さん

 17日に開かれる第25回市町村対抗県縦断駅伝競走大会(ふくしま駅伝)で、2020年夏季五輪の東京開催が決まった国際オリンピック委員会(IOC)総会でスピーチした佐藤真海(まみ)さん(31)=サントリーホールディングス=がゲストスターターを務める。復興に向かって進む本県を応援しようと駆け付ける。開会式会場などには巨大なメッセージボードを掲げ、選手らの大会への意気込みや古里へのメッセージを発信する。4半世紀の節目を迎え、長年、大会に携わってきた関係者は特別な思いで号砲を待つ。
 佐藤さんは宮城県気仙沼市出身。早稲田大在学中に骨肉腫を発症し、右足の膝下を切断した。リハビリを兼ねて中学、高校で取り組んでいた陸上競技に再び打ち込み、走り幅跳びでアテネ、北京、ロンドンとパラリンピックに3大会連続で出場した。北京では6位入賞を果たした。
 9月にアルゼンチンで開かれたIOC総会最終プレゼンテーションでは、トップバッターとしてスピーチ。実家の一階部分が津波で流された経験を交えながら「スポーツの力が復興を後押しする」との思いを強く訴えた。IOC委員の心をつかみ、東京五輪招致決定につながった。
 ふくしま駅伝には、「復興に向けて前に進む福島を応援しよう」と、第25回記念の特別ゲストとして参加する。17日午前7時40分に白河市総合運動公園陸上競技場でスターターを務めるほか、同50分すぎに同市のサンフレッシュ白河・大沼体育館前の第1中継所で花の1区を走り終えた選手を激励し、交流する予定だ。「練習の成果を発揮し、限界をつくらないで挑戦する走りを見せてほしい」と選手にエールを送っている。

■佐藤真海さんに聞く 東北出身、被災地の力に

 佐藤さんは福島民報社のインタビューに応じ、ふくしま駅伝の選手の活躍に期待を寄せた。
   ◇   ◇
 -国際オリンピック委員会総会でのスピーチは多くの感動を呼びました。
 「パラリンピアン、そして東日本大震災の被災地である東北出身者として与えられた役割をしっかり果たしたいという思いでした。東北の皆さんと心から五輪を楽しむことができるよう、これからの7年間が復興に向けて前進する7年間になってほしいと思います」
 -震災後、いわき市の小学校を訪問するなど、被災地の支援活動を積極的に続けています。
 「私が右脚を失った時の経験と、震災は重なる部分が多くあると感じました。その経験を持っているからこそ、被災者の力になりたいという強い思いを持ちました。サントリー社員として復興支援活動『東北サンさんプロジェクト』に携わっていますが、被災した方々を元気づけると同時に私自身も元気をもらっています。ふくしま駅伝では福島のアスリートや子どもたちと触れ合い、選手の頑張りを応援します」
 -ふくしま駅伝は五輪をはじめ世界で活躍する選手を輩出しました。
 「年代の枠を超えた選手が1つのチームとしてタスキをつなぐ、ふくしま駅伝は、陸上競技の底辺を拡大する上で、とても重要な大会だと思います。私は中学、高校と陸上部で、その時の経験はメンタルを含めて今の自分につながっています。一流の選手と一緒に走る経験も、若い選手にとって大きな刺激になると思います」
 -出場選手の中から東京五輪に出場する選手が出るかもしれません。
 「そうですね。震災で被災した東北の選手が出場することは、東北だけではなく全国的な盛り上がりにもつながるはずでず。東京五輪は日本が復興した姿を世界に発信することが大事な要素にもなります。福島からぜひ出場選手が出てきてほしいと思います」
 -ふくしま駅伝には古里から離れて避難生活を送っている選手も数多く出場します。
 「私は右脚を失うという大きな試練がありましたが、競技に打ち込むことによって乗り越えることができました。常に目標に向かっていくことで一歩ずつ前に進めます。厳しい環境ですが、選手の皆さんは今の苦しさを走ることにぶつけて、プラスの力に変えてもらいたいと思います」

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