東日本大震災

「放射線・放射性物質Q&A」アーカイブ

  • Check

放射線 放射性物質 Q&A チェルノブイリで甲状腺以外のがん増加は

 チェルノブイリ原発事故が発生した際の放射線被ばくの健康影響で、周辺の住民に甲状腺がんの発症が増えたことは知られています。それでは甲状腺以外でのがんの発症については増加したのでしょうか?

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■科学的に証明されず 継続的な評価が必要

 チェルノブイリ原発事故の影響で周辺住民に甲状腺がん、特に小児甲状腺がんが多発しました。事故発生当初の放射性ヨウ素の内部被ばくで、ヨウ素が集積しやすい甲状腺が高い線量の内部被ばくを受けたためと考えられています。
 「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)」は平成23年、事故後25年を契機としてチェルノブイリ原発事故による健康影響に関する報告書をまとめました。この中で「汚染した牛乳などを規制なしに摂取していた、事故当時子どもだった人の中から6000人以上という相当な数の甲状腺がん患者が発見されている」と指摘されています。
 その一方で、「現在までに一般公衆において甲状腺がん以外に放射線被ばくに起因する健康影響の科学的証拠はない」と明言しています。つまり、これまでにチェルノブイリ周辺住民で甲状腺がん以外のがんの増加は科学的に証明されていないということです。
 広島や長崎の原爆の被爆者では白血病や種々の固形がんが増加したことが科学的に証明されています。広島、長崎が原子爆弾による外部被ばくが主であったのに対し、チェルノブイリの場合は放射性ヨウ素による内部被ばくが主であり、被ばく形態が違うことによって、がん発症への影響が異なってきていると考えられます。しかし、チェルノブイリでは事故当時小児だった世代を中心に、今後も住民の健康影響を継続的に評価していく必要があります。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

「放射線・放射性物質Q&A」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧