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海底土壌、面的に調査 本県沖の放射性物質 魚介類への影響分析

 県は平成26年度、本県沖の海底土壌に含まれる放射性物質の詳細調査を始める。東京大研究チームが開発した機器を使い分布状況と濃度を広範囲で面的に把握、魚介類への影響を分析する。安全性が確認された海域の魚種を試験操業で水揚げし、市場に提供してもらう。放射性物質に関する、より詳しいデータを基に出荷態勢を整えることで、県産水産物に対する風評払拭(ふっしょく)と本操業の早期再開につなげる。
 調査範囲は新地町からいわき市にかけての延長約140キロで、相馬双葉、いわき市両漁協が試験操業を行っている海域が対象となる。
 調査手法は【図】の通り。東京大研究チームが開発した機器には放射性物質を感知する性能が備わっている。海底をはうように進み、土壌中の濃度を連続して測る。アイナメ、ヒラメ、クロソイなどが生息する水深150メートル程度まで測定が可能だ。県は調査船にケーブルで結び、来年10月から本県沖を航行する。併せて、魚介類と、その餌になるプランクトンや小魚を捕獲する。
 測定結果は、いわき市の県水産試験場で分析する。放射性物質が分布している実態を把握する一方、魚と餌の放射性物質濃度を詳細に調べ、海底土壌からの移行状況を確認する。食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を確実に下回ると判断した海域の魚種について、試験操業の対象に加えるよう漁協に打診する。
 河川の河口付近や海底地形の複雑な地点など、放射性物質濃度が比較的高いと考えられる地点から調査に着手する。その後、徐々に海域を拡大する。
 現在、県が実施している海底土壌の放射性物質検査の対象は、新地町からいわき市にかけての沿岸や沖合合わせて42地点に限られている。漁業関係団体は広範囲にわたって面的に行い、魚介類の安全証明につなげるよう求めていたが、対応できるシステムが開発されていなかった。県は東京大研究チームから機器を購入する。
 県水産課の尾形康夫課長は「海底土壌と魚に含まれる放射性物質濃度の関係を明らかにしたい。しっかりとしたデータに基づき水産物を出荷すれば、本県産に対する信頼性が上がるはずだ」と話す。
 県漁連の中田研二参事は「検査態勢が充実すれば、今後の試験操業拡大や風評の払拭に役立つ」と期待している。

カテゴリー:福島第一原発事故

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