今春の避難指示解除が検討されている福島県田村市都路町の避難指示解除準備区域について、「4月解除」を軸に政府と市、住民による調整が進められる見通しとなった。12日、同区域を抱える一部の行政区で開かれた三者による会合で、住民側の提案に政府が前向きな姿勢を示した。解除されれば、東京電力福島第一原発事故による旧警戒区域で初めてとなる。区域内の残る行政区でも近く会合を開き、2月中にも解除時期が固まる見通しだ。
会合は都路町の第8行政区で開かれた。複数の関係者によると、住民約20人と国と市の担当者が出席。一部の住民が学校再開に合わせた「4月1日解除」を提案した。会合で政府は、解除時期の決定について住民の意向を尊重する考えを示したという。
区域内の残る第9行政区の住民との会合は18日に開かれる。
政府と市は2月にあらためて同区域の第8、第9両行政区を対象とした説明会などを開き、解除時期を示す方針だ。
同市都路町の避難指示解除をめぐっては、昨年10月の政府と市、住民の意見交換会で冨塚市長が同年11月の解除を提示した。しかし、住民から除染効果を不安視する声などが出たため、政府と市は「平成26年春」を目安に解除時期を再検討している。
同市都路町の避難指示解除準備区域は24年4月に警戒区域から再編された。希望すれば自宅に寝泊まりできる特例宿泊が昨年8月から行われている。市は仮校舎に移転している小中学校などを4月に元の校舎に戻す。
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