国際協力機構(JICA)の海外ボランティア帰国報告会は18日、二本松市の市民交流センターで開かれ、青年海外協力隊員の帰国報告と、復興庁の市町村応援職員に志願した協力隊経験者が思いや活動を紹介した。
県民をはじめ派遣中の隊員の家族、協力隊経験者ら約60人が参加した。主催した北野一人JICA二本松所長のあいさつの後、ウガンダから昨年12月に帰国した福島市の田中俊さん(25)が報告した。田中さんは「水の防衛隊」として井戸の普及に努め「現地の人たちと心を通わせ、人間力が身に付いた」などと述べた。
「協力隊経験で福島を元気に!」と題したパネルトークも行った。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故を受けて復興庁が募った応援職員として福島市の福島復興局に勤める渡辺次男さん(60)=二本松市在住=、葛尾村役場勤務の小野寺由貴さん(27)=宮城県出身=、二本松市民の内部被ばく検査に当たる小幡和彦さん(58)=北海道出身=が志願理由や仕事について語った。
このうち、小野寺さんは震災の発生がJICA二本松の訓練修了の当日だったことから、派遣先のザンビアでも本県を心配し続けていたと話した。昨年春に帰国後、「被災者のそばで経験を生かしたい」と、葛尾村民の支援に当たっている。
県内の市町村応援職員36人のうち、16人が海外協力隊経験者で占めている。
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