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今を生きる 28日から栃木の国体スケートに出場 古里に恩返しの滑りを 互いに支え合い成長

高校最後の大会で有終の美を飾ろうと誓い合う鴫原君(右)と渡辺君

■川俣の山木屋から福島市に避難 福島工高3年 鴫原凌君と渡辺竜也君

 東京電力福島第一原発事故で川俣町山木屋地区から福島市に避難している鴫原凌君(18)=福島工高3年=と渡辺竜也君(17)=同=は、28日から栃木県日光市で開かれる国体冬季大会スケート競技会が高校生活最後の滑走となる。2人は原発事故を乗り越え、二人三脚でスケートの技術を磨いてきた。「親友や応援してくれる人のためにも悔いのないレースにしたい」と意気込んでいる。

 2人は幼小中高と一緒で、知り合って14年目。鴫原君は小学1年生、渡辺君は2年生でスケートを始めた。冬になると山木屋地区にある「絹の里やまきやスケートリンク」(通称・田んぼリンク)に毎日通い、仲良く転びながらスケートを覚えた。山木屋中では特設スケート部に所属した。
 高校入学前の平成23年3月、原発事故で被災。古里は計画的避難区域となり、同年5月に福島市に避難した。「田んぼリンク」が使えなくなり、郡山市の郡山スケート場に通い練習した。
 夏と冬の合宿は特に厳しく、何度もスケートを諦め掛けた。2人は「1人ならやめていた。2人だったから続けられた」と声をそろえる。言葉で励まさなくても、親友が隣にいるだけで元気が出た。
 国体では、鴫原君は少年男子500メートルと同2000メートルリレー、渡辺君は同リレーに出場する予定。鴫原君は群馬県、渡辺君は福島市の企業に就職が内定している。2人とも就職後は競技の第一線から退く考えだ。高校生活最後の大舞台に向け、鴫原君は「励ましてくれた古里の人に力強い滑りを見せたい」、渡辺君は「献身的に支えてくれた両親に活躍する姿を見せたい」と誓った。

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