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放射線 放射性物質 Q&A 甲状腺がんの種類や特徴は

 チェルノブイリ原発事故で子どもの甲状腺がんが多発したため、東京電力福島第一原発事故の影響で県内でも甲状腺がんの発症が懸念されています。甲状腺がんには、どんな種類があり、どんな特徴があるのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■形態から4種類に分かれ他と比べてゆっくり発育

 甲状腺がんは、その組織型、つまり顕微鏡で観察したときの形態から、乳頭がん、濾胞(ろほう)がん、髄様(ずいよう)がん、そして未分化がんの4つに大きく分けられます。その他、甲状腺由来の細胞ではありませんが、リンパ腫という血液系の腫瘍が発生することもあります。
 このうち、甲状腺がんの8割近くを占めるのが乳頭がんです。乳頭がんは文字通り顕微鏡で観察すると、乳頭の形のようにがんが増殖しているのが観察されるもので、30代以降の女性に多く見られます。症状としては、喉にしこりが触れる以外にあまり特徴的な症状はありませんが、声がかれたり、喉の痛み、嚥下(えんげ)障害が見られることがあります。最近では超音波検査(エコー検査)が発達したこともあり、本人が気付かないうちに、健康診断の超音波検査で偶然発見されることがあります。
 甲状腺乳頭がんは、他の臓器を含めた全てのがんと比較しても、ゆっくりと発育するため、非常に小さな、数ミリ程度の甲状腺がんが発生しても、気付かずに過ごすことがしばしばあります。
 過去の調査で、亡くなられた人の体を解剖して甲状腺乳頭がんがどのくらいの割合で見つかるかを調べたところ、国によって多少の違いはありますが、1~2割程度の人に甲状腺乳頭がんが発見されたと報告されています。つまり、甲状腺乳頭がんは比較的、発生頻度が高く、しかも、その多くが発生に気付かないまま、生涯を全うされている、ということなのです。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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