会津若松市のシンボル・鶴ケ城の天守閣は来年、再建から50周年を迎える。市は屋内の郷土博物館の展示内容をリニューアルする計画を平成26年度に進め、魅力の向上を図る。
「城の歴史」と「会津の武家文化とその時代」を展示の軸とし、貴重な文化財などの展示に適した陳列棚を活用。1月に終了した「ハンサムウーマン八重と会津博 大河ドラマ館」の展示物の移設、配置の変更などを計画している。
大河ドラマ「八重の桜」の放送で、同市には昨年1年間に過去最多の390万人以上が訪れ、215億円の経済波及効果をもたらしたという試算がある。
一方、県外からの教育旅行の来校数は25年度、400校までの回復を目指したが、369校にとどまった。誘致活動をしている会津若松観光公社は26年度、震災前の841校の半数以上まで回復させたいとしている。大河ドラマで注目された「ならぬことはならぬ」に代表される会津藩の教えなどをアピールする考えだ。
外国人観光客の来市も震災前の3割ほどにとどまる。原発事故の風評が続く影響で上位3位だった台湾、中国、韓国の観光客が戻らないという。市などは報道や旅行業関係者らの招請ツアーを催したり、市長のトップセールスを計画したりするなど誘客の努力を続ける。
長谷川健二郎市観光課長(52)は「地域を高める努力を続けることが必要で、鶴ケ城のリニューアルと市民挙げておもてなしの心の醸成を図る」と話している。
(カテゴリー:震災から3年)