東日本大震災を教訓に、県内の町内会や自治会単位で組織する自主防災組織の活動が活発化している。県内には平成25年4月1日現在、2423団体の自主防災組織がある。県内の全75万世帯のうち、8割超の63万世帯が加入している。災害はいつ襲ってくるか分からない。日頃の備えが大切だ。
郡山市赤木方部自主防災組織連合協議会は昨年10月に大規模な総合防災訓練を行った。逢瀬川が大雨で氾濫したことを想定し、約400人が参加した。1人で避難できない住民の誘導などを確認した。災害時に消防隊員が到着するまでの初期対応を学んだほか、消火訓練も繰り広げた。
このほかの組織も独自に防災訓練を実施したり、救命講習会を開いたりする例が増えている。家庭で使える防災用具の普及を図る組織もある。
県民の防災意識を高めるため、県は防災出前講座を開き、地震や風水害の事前対策などを啓発している。
県内の市民団体や事業所、学校、個人が主催し、約10人以上が集まる会合であれば、県は防災担当職員を講師として派遣する。ハザードマップの活用法から災害に対する日常の備えまで内容は幅広い。テーマは主催者が選ぶ。
出前講座は震災前に始まった。以前は年数回の開催だったが、平成23年の東日本大震災後は年20回以上も開いている。民間企業や業界団体、学校が主催するケースが目立つ。
県災害対策課は「震災後、県民の防災意識は高まっている。特に仕事中の災害への備えが進んでいる」としている。
出前講座の講師派遣は受講希望日の1カ月前まで受け付けている。午前10時から午後4時までの間で、1回1時間程度。講師料は無料だが、会場使用料などは主催者が負担する。問い合わせは県災害対策課 電話024(521)7194へ。
●防災出前講座のテーマ●
◆ハザードマップの利用
・ハザードマップの種類、記載事項、活用法など
◆災害情報の見方と対応
・気象予報、警報の種類と内容。災害時の避難など
◆避難所の使用と運営
・避難所の施設概要、運営組織と役割。日頃の準備など
◆危機管理
・危機管理や防災力、災害対応能力向上の意味など
◆職場の災害初動対応準備
・災害時に生き残るための準備。災害対策本部の開設要領など
◆災害に対する日常の備え
・災害時に生き残るための準備。地域の防災環境や自助・共助の取り組みなど
◆職場などの減災対策
・減災のために必要なこと。災害の原因と対策など
◆住民のための災害訓練
・地域の防災環境や被害状況を知る。防災力向上の取り組みなど
◆自主防災組織の育成
・地域の防災環境を知る。自助・共助の取り組みなど
◆災害時の避難方法
・気象予報、警報の種類と内容。ハザードマップの活用法など
(カテゴリー:震災から3年)