東日本大震災アーカイブ

サクラ1000本植樹達成 いわきの「じょうばん街工房21」

植樹したサクラが1000本となり喜ぶ参加者

 サクラの植樹を通して東日本大震災の復興を目指していた、いわき市常磐地区の有志でつくる「じょうばん街工房21(小井戸英典会長)」は16日、3年がかりで目標の1000本を達成した。同日、市内2カ所で行われた植樹式には50人以上の市民らが参加し復興の誓いを新たにした。
 じょうばん街工房21は「千本桜植栽実行委員会(寺主君男委員長)」を発足させ、平成24年から3年計画で取り組みを始めた。地元のひまわり信用金庫(台正昭理事長)が趣旨に賛同し地域貢献事業として苗木を提供し続けた。
 24年は350本、25年は400本、26年は残り250本を植えた。21世紀の森公園などの公共施設をはじめ、学校や個人宅など地元の常磐地区を中心に広く市内全域に配布し協力を求めたという。
 最後の植樹をし16日、湯本川調整池(さはこの水辺)周辺と銭田工業団地公園にそれぞれ10本ずつ丁寧に植えた。数人が一組になり、穴を掘った後、ソメイヨシノやベニシダレ、キクシダレの苗木に土を盛った。
 寺主さんは震災翌年に始まった3年間にわたる植樹を振り返り「少しずつ市民らの輪が広がり、1000本を植えるのに延べ700人以上が関わった」と感謝した。「サクラはこれからずっと毎年きれいな花を咲かせるだろう。復興の願いを決して忘れることなく、子どもたちに受け継いでいきたい」と感慨深げに語った。