広野町下浅見川の県道広野小高線バイパス工事現場で16日、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響で遅れていた災害復旧・復興工事の安全祈願祭と起工式が行われた。双葉郡では初めて。関係者は郡内の一日も早い復旧と復興を願った。
安全祈願祭は広野東地区復興工事連絡協議会の主催。くわ入れなどを行った後、渡辺宏喜県土木部長、遠藤智広野町長、双葉地方町村会長の渡辺利綱大熊町長らが玉串をささげた。
起工式は県の主催で、渡辺部長が「住民が安心して戻ってくるためにも堤防や防災緑地が必要。災害に強いまちをつくる」とあいさつした。
工事では、被災前から工事が進められていた県道が4メートルかさ上げされ、海抜10・7メートルになる。防災緑地も整備される。海岸堤防は2・5メートルかさ上げされ、同8・7メートルになる。平成28年3月までの完成を目指す。
式典に参加した広野町の門馬義男第一行政区長(73)は「道路が整備されれば、復興に弾みがつくはず」と期待を込めた。
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