東日本大震災

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本県復興の思い本に 東北エンタープライズの名嘉さん 技術者目線で課題指摘

復興に向けた思いをつづった名嘉さん

 いわき市の原発設備メンテナンス会社「東北エンタープライズ」会長の名嘉幸照さん(72)は、東京電力福島第一原発事故収束の願いや本県復興に向けた思いをまとめた「"福島原発"ある技術者の証言」を発刊した。
 名嘉さんは約40年間、福島第一原発で各種機器の維持・補修業務に関わった。原発事故への国民の関心が薄れつつあると危機感を抱き、1カ月で書き上げたという。
 「技術者の証言」は4部構成で253ページ。「事故処理の現場と政府・東電」の章では、事故収束作業のため福島第一原発構内に社員を送り出す際の苦悩などを紹介した。原発の海外輸出に前向きな政府の姿勢を批判している。
 終章の「福島の真実と未来」で、双葉郡の再生に向けた国のグランドデザインが示されていないと指摘。東電福島第一原発沖合に、汚染土壌などを埋め立てた人工島を造り、廃炉作業などの拠点にすべきと提案した。
 原発事故で富岡町の自宅を離れ、いわき市に避難している名嘉さんは「原発関係者や福島の人々への『遺言』のつもりで書いた。現場に密着した目線で課題を克明に記し、発信したかった」と述べている。
 「技術者の証言」の出版元は光文社(本社・東京)で、初版は8千部。1冊1400円(税別)。県内の主要書店で販売している。
   ◇  ◇
 名嘉さんは沖縄県伊是名(いぜな)村出身。渡米し現地の大学で学んだ後、ゼネラル・エレクトリック(GE)社に入社した。技術者として、同社の原子炉を採用した福島第一原発に派遣された。昭和55年に独立し、「東北エンタープライズ」を創業した。

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