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震災学ぶ旅いかが 会津高原リゾート 教育旅行回復へ新企画

「震災学習旅行」で防災訓練の会場となるスキー場駐車場を説明する鈴木さん=南会津町

 南会津町などが出資する「会津高原リゾート」は、本県で災害や防災について学ぶ「震災学習旅行」を始める。第1弾として今秋、千葉県松戸市の中学生の来県が決まった。生徒はテント設営や、限られた食料で生活する防災訓練に臨む。いわき市の津波被災地も訪ね、防災への理解を深める。今後、震災学習旅行を広め、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で激減した教育旅行の回復を目指す。

■第1弾 9月に千葉の中学生 防災訓練や被災地見学
 震災学習旅行は、会津高原リゾートが千葉県松戸市の六実(むつみ)中、近畿日本ツーリストと協力して取り組む。六実中の2年生と教員合わせて約200人が9月に3日間の日程で本県を訪れる。
 防災訓練は会津高原リゾートが運営する南会津町のたかつえスキー場駐車場で行う。生徒らは班ごとに会津アストリアホテルから避難し、野外にテントを設営する。飯ごう炊飯や、限られた水と食料での生活を体験する。有事の際の適応力や自主性を身に付けるのが狙いだ。地元の消防団や婦人会が生徒をサポートする。
 いわき市にも足を延ばし、津波被害を受けた、市内小名浜地区を見学する。地元NPO法人の協力で、被害を受けた地域を見て回る。震災直後の市街地の映像と現在の風景を見比べ、復興に向かう被災地の現状を学ぶ。被災地の思いをじかに感じてもらおうと、被災者から震災時の体験を聞くことも想定している。
 会津高原リゾートは「落ち込んだ県内への教育旅行を復活させるためには、新しい教育旅行の形が必要」と、重要性が高まっている防災教育に注目した。全国修学旅行研究協会が、千葉県外での防災教育を考えていた六実中に会津高原リゾートを紹介したのが縁で実現する。同社の社員が六実中を訪れ、食べ物の放射性物質の検査状況や放射線量測定の態勢を説明したところ、保護者も納得したという。
 同社ホテル営業部長の鈴木昭弘さん(48)は「被災地だからこそできる有意義な教育旅行がある。初回の結果を生かし、さらに誘客を進めたい」と話す。南会津町商工観光課は「教育旅行の回復は、地道な取り組みが必要。事業者と足並みをそろえ、県外の学校に南会津をアピールしていきたい」としている。

■震災で激減 県内への教育旅行宿泊者数 着実に増加傾向
 本県は震災と原発事故前まで、教育旅行の先進県として九州や関東などから多くの学校が訪れていた。平成19年度の74万7549人をピークに毎年度、70万人近くを維持してきた。しかし、震災後の23年度は13万2445人にまで激減した。
 県観光物産交流協会は、震災後も継続して全国にキャラバン隊を派遣し、誘致活動を積極的に展開してきた。24年度は24万148人にまで回復し、集計中の25年度も増加傾向にあるという。

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