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【災害公営住宅】 建設地で応募偏り 福島、若松 定数割れも 県中間発表 入居町村拡大 視野に

 県は19日、東京電力福島第一原発事故に伴う災害公営住宅の第一期分入居申し込みの第2回中間状況(15日時点)を発表した。申し込みの全体倍率は1.4倍だが、建設地によって倍率に大きな偏りが出ている。郡山、いわき両市は人気が高く、最高で4.6倍に達する住宅がある一方、福島、会津若松両市は定数割れが目立つ。県は定数に達しないケースで、入居対象町村の拡大も視野に対策を検討する。

■郡山、いわき人気

 75歳以上の高齢者、障がい者、要介護者を対象とした「優先住宅」と、それ以外の「一般住宅」に分けて募集を受け付けており、計528戸に対し計750世帯が申し込んだ。全体倍率は前回の1.1倍を0.3ポイント上回った。
 一般住宅は、郡山市の125戸の倍率が0.6~2.6倍。双葉郡からの避難者が多い、いわき市の200戸は0.5~2.9倍で3倍近い人気の住宅もある。
 一方、福島市の34戸は0.0~0.5倍、会津若松市の54戸は0.0~1.0倍にとどまる。福島市笹谷9号棟と会津若松市年貢町3号棟は優先住宅を含め応募がない。
 優先、一般を通じて倍率が最も高いのは郡山市富田の優先住宅の4.6倍。8戸の募集に対し、37世帯が申し込んだ。

■生活設計に変化

 災害公営住宅の整備戸数や建設場所は復興庁と県、避難市町村が平成24年8月から実施している住民意向調査の結果を踏まえて県が決めている。
 人気の偏りはなぜ起きるのか。避難自治体の関係者からは、意向調査した時点と現在で避難者を取り巻く環境が変化しているため-との指摘も出ている。原発事故で避難区域が設定された10市町村ごとに18回にわたって調査を実施してきたが、回を重ねるごとに住民の帰還の意識が薄らぐ傾向にある。
 さらに、昨年12月に文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会が避難先での生活再建を後押しする指針を示したことを受け、避難者の生活設計にも変化が表れているという。
 富岡町からいわき市に避難している30代の自営業男性は「賠償の見直しによって避難先で自宅が購入できるのであれば、災害公営住宅に入居する必要はない。避難者の生活実態の変化に対応した計画が必要ではないか」と指摘する。
 県は、復興庁などが今後実施する意向調査を踏まえ、現行計画の見直しを進める方針だ。

■周知に力

 県は災害公営住宅の一期分の募集を今月30日で締め切る。申込数が募集戸数を超えた住宅は7月に抽選する。募集戸数に達しなければ、再募集する。
 再募集で定数割れが続き、入居者が確保できない場合、県は関係町村と対応を協議する。現在は入居後、円滑に生活できるよう、建物ごとに募集対象の市町村を限定しているが、他の自治体の住民の入居も認める方向で調整する考えだ。
 県生活拠点課は「応募状況を見た上で、これから申し込む人もいるだろう。空き家が生じないように今後も周知活動に力を入れたい」としている。

【背景】
 県は東京電力福島第一原発事故に伴う災害公営住宅を4890戸整備する計画。このうち3700戸については、平成27年度中の入居開始を目指している。残る1190戸は同年度から遅れない時期の入居開始を目標としている。15日現在、3741戸分の用地が確保され、544戸が着工している。第一期募集分の528戸は今年11月から順次入居開始の予定。

カテゴリー:3.11大震災・断面

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