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原告の請求棄却 関連死不認定取り消し訴訟 いわきの男性自殺 因果関係認めず

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に伴い一時避難し、その後自殺した、いわき市の男性=当時(65)=の妻(65)が市に震災関連死の不認定取り消しを求めた訴訟の判決で、福島地裁の潮見直之裁判長は27日、「震災と自殺に因果関係は認められない」として請求を棄却した。不認定取り消し訴訟で判決が出るのは県内で初めて。
 判決理由で潮見裁判長は、男性が震災前からうつ病を発症していた点を指摘し、「震災がなければ、男性が自殺に至らなかったと認めることは困難」と結論付けた。いわき市側は、男性が震災から1年2カ月後に自殺していることなどを挙げ、「避難と自殺に関連性はない」と主張していた。
 原告側が、いわき市に戻った後も断水などで生活環境が激変し、精神的に不安に陥ったとの主張に潮見裁判長は「断水は震災後約1カ月後までに解消していた」とした上で、「(生活環境の変化と)因果関係があるかは不明確」とした。
 いわき市が震災関連死の不認定を決定するまでに積極的に調査したか否かについては、「仮に調査が不十分だったとしても、男性の死亡との間に因果関係があるとはいえない」と認定した。
 判決を受け清水敏男市長は、故人の冥福を祈り、遺族に哀悼の意を表するとした上で、「市の判断が妥当であったことが司法の場で証明されたと認識している」とコメントを発表した。
 男性は平成23年3月15日にいわき市から郡山市に避難した。約1週間後に自宅に戻ったが、精神的に不安定となり、24年5月29日に自殺した。男性の妻はいわき市に災害関連死の認定申請をしたが、24年9月に不認定とされた。市は、妻の異議申し立ても棄却した。
 原告の弁護人は報道陣の取材に応じておらず、控訴するかどうか明らかにしていない。

カテゴリー:福島第一原発事故

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