東日本大震災

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全国行脚で支援要請 県、風化・風評対策で初のプロジェクト

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から3年余りが経過し、県は風化・風評対策の戦略プロジェクトを初めてまとめた。8月から幹部職員が全国の自治体や企業を訪問し、支援への感謝を伝えるとともに継続的なサポートを要請する。県は福島民報社が展開する「復興大使派遣事業」と連携し、国内外への情報発信に取り組んでおり、風化と風評を食い止めるには直接アピールするのが効果的と判断した。
 福島第一原発の廃炉作業には30~40年を要するとされており、県内の復興に向け、長期的な風化・風評対策が不可欠となっている。県の戦略的な風化・風評対策のプロジェクトの取り組み内容は【表】の通り。
 柱となる訪問事業は、県幹部職員が佐藤雄平知事の親書を全国の自治体や企業などに直接届ける。訪問先は46都道府県をはじめ、包括連携協定を締結した企業など約350カ所に上るという。
 これまでの支援に対して感謝を伝え、復興途上にある県内の現状を説明する。風化防止と風評の払拭(ふっしょく)に向け継続的な支援を要請する。被災市町村と共に、訪問することも検討している。
 関西や九州地方、首都圏で風化・風評対策のシンポジウムも開催する。この他、10月には福島市内でアニメ関連の集客力の高いイベントを開く方向で調整している。海外向けでは、日本外国特派員協会で佐藤知事自らが県内の実情を発信する予定だ。
 県はプロジェクト費用として9月補正予算案に5000万円、27年度の当初予算案に1億円を計上する方針。
 県は平成25年度、福島民報社の復興大使派遣事業と連携し、復興事業「ふくしまから はじめよう。」プロジェクトを展開、国内外に情報発信してきた。県企画調整部の担当者は「震災と原発事故から年月が経過し、風化が懸念される一方で、風評被害は消えない。積極的にアピールし、復興につなげる」とする。
 県によると、全国の都道府県から県に派遣された職員数は延べ811人に上る。19日現在、県に寄せられた義援金は約13万件で総額約215億円、寄付金は約4000件で総額約92億円などとなっているが、県は震災と原発事故からの復興に向け、一層の人的・財政的支援が欠かせないとしている。
 阪神大震災は来年1月で発生から20年が経過する。被害が大きかった神戸市内でも震災未経験者の割合が4割を超えた。風化による同市民の防災意識の希薄化、行政の被災者支援策の低下などが深刻な問題となっている。
 佐賀県唐津市で15、16の両日に開かれた全国知事会では、佐藤知事が風化と風評の対策への協力を要請した。同会議で採択した「東日本大震災からの復興を加速化するための提言」では、原発事故の早期収束などに加え、風化防止の文言が盛り込まれた。

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