東日本大震災アーカイブ

富岡で防犯カメラ運用開始 44カ所、町内全域を網羅

富岡町の防犯カメラの運用開始式でシステムを操作する宮本町長

 東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域で空き巣事件が相次ぐ中、全町避難が続く富岡町が町内全域の44カ所に設置した防犯カメラの運用開始式は1日、郡山市の町役場郡山事務所で行われた。町内全域を網羅した防犯カメラの設置は避難区域で初めてで、犯罪抑止につなげる。
 式では、宮本皓一町長が「2月に常磐自動車道・常磐富岡インターチェンジが再開し、今後の6号国道の規制解除予定、除染の本格化などで人の出入りが多くなる。空き巣などの多発が懸念され、防犯カメラシステムを犯罪減少につなげたい」とあいさつ。双葉署の渡部敏久署長が「防犯、安全・安心確保のために一緒に取り組んでいきたい」と祝辞を述べた。
 システムの概要の説明があった後、担当者がスイッチを入れると、会場に設置されたモニターの画面に防犯カメラが町内を撮影した複数の映像が映し出された。
 防犯カメラのシステムは民間の警備会社に運用を委託し、24時間体制で監視するとともに、犯罪発生時には撮影した映像を双葉署に提供して捜査に活用する。通行車両のナンバーを撮影できるカメラも導入した。

カテゴリー:福島第一原発事故