東日本大震災

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三春のヨウ素剤配布は「適切」 独自判断を東北大と検証

記者会見する(左から)田村教授、鈴木町長、玄侑氏

 三春町と東北大は9日、東京電力福島第一原発事故発生から5日目に、町独自の判断で安定ヨウ素剤を町民に配った対応に関する検証結果を発表し、「配布時期は放射線量が高くなる直前で、最適だった」と結論付けた。
 町は平成23年3月15日午後1時、希望する40歳未満の町民約7250人にヨウ素剤を配り、服用を指示した。町は事故直後から空間放射線量を自宅で測定していた町民の情報や大熊町など避難自治体からの情報、風向きなどの気象条件を基に判断した。
 検証は同大大学院の小池武志准教授の協力で実施。町民が計測した空間放射線量の数値などを分析し、町に放射性物質が降下した時期は4号機の水素爆発などが起きた15日の「午後1時45分~3時」と導き出した。これに先立ち、ヨウ素剤を配った町の対応を「放射線の拡散状況に関する情報が皆無の状況では適切」と評価した。
 世界保健機関(WHO)のガイドラインでは、ヨウ素剤を服用するタイミングは放射性物質の降下前か、降下と同時が効果的とされている。
 三春町の鈴木義孝町長と東北大の田村裕和教授、小池准教授らは9日、仙台市内で記者会見した。鈴木町長は「情報や知識がない中で、町民を守ろうとした職員の熱意が評価された」と語った。芥川賞作家の玄侑宗久氏らが同席した。

■10年で被ばく平均10ミリシーベルト 任意団体調査「安心できる状態」
 記者会見では、放射線の影響を長期的に調べる任意団体「三春実生(みしょう)プロジェクト」の活動成果も報告された。町内の小中学生に貸与している積算線量計の測定結果などから、事故から10年間の外部被ばくの積算量は自然放射線を含めて平均10ミリシーベルト、最大で22ミリシーベルトにとどまると推測した。同団体は、数値にはさまざまな解釈があるが、安心して生活できる状態との見方を示した。
 同団体は町と東北大の連携で23年6月に設立され、鈴木町長が代表。町内の全小中学生の85%に当たる約1400人に個人積算線量計を配り、同年7月から測定を開始。町が読み取り機を購入し、測定を継続している。
 一連の検証結果は14日付の英科学誌「ジャーナル・オブ・レディオロジカル・プロテクション」電子版に掲載される予定。

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