東日本大震災

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福島医大卒業の県内研修医増える 53人、過去10年間で最多

 福島医大医学部の平成25年度の卒業生90人のうち、県内の臨床研修指定病院で研修を受ける研修医は、過去10年間で最多の53人に上る。同学部の定員増に加え、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故を経験した学生の地域貢献への思いの高まりが背景にあると、県は分析する。医師不足が大きな課題となっている本県地域医療の再生に向け、期待が高まる。
 過去10年間の研修医数と24、25年度の県内病院での福島医大医学部卒業生の研修状況は、震災発生直後の23年度は26人と大きく落ち込んだが、24年度は48人まで回復し、25年度はさらに5人上回った。
 24年度、25年度の卒業生に占める県内病院への研修医定着率は、23年度の35.1%から大幅に上昇。震災前よりも高い割合を維持している。
 同学部定員は20年度から、国の医師抑制策の転換を受け増加傾向が続く。19年度まで80人だった定員は年々増え、25年度に130人に達した。
 医師確保に向けて県と福島医大は20年度、卒業後に県内で9年間、医師としての勤務を義務付ける修学資金制度を創設。制度を利用した初めての学生が25年度に卒業し、県内各地の病院に研修医として採用された。
 ただ、県内の医師は避難などにより震災前より約200人減少し、24年12月末現在3506人にとどまる。人口10万人に占める医師の割合は全国平均が226.5人なのに対し、178.7人で全国44位に低迷している。全国平均に達するには、さらに938人の医師確保が必要だ。
 研修期間(前期、後期合わせて5年程度)以降の県内定着が課題となる。県などは研修医や若手医師を対象にした研修会を通し、地域医療への理解を促しているが、医師確保への「特効薬」となるかは不透明な状況だ。
 県地域医療課は「県や福島医大の長年の取り組みがようやく芽を出し始めた。若手医師の本県定着率を高め、地域医療の充実につなげる」としている。

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