モモの出荷が最盛期を迎えています。現在、福島県産のモモから放射性セシウムは検出されているのでしょうか?
【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん
■今年のモモは全て検出されず ブドウやナシも同様、安心を
モモが非常においしい季節になりました。私が住んでいる長崎でも、福島県産のモモは、山梨県産や長野県産のモモと並んで店頭で販売されています。
モモは食物繊維やナイアシン、それにカリウムといった物質を豊富に含んでいます。食物繊維には便秘解消の効果があることはよく知られていますが、それ以外にも大腸がんの予防にも有効であると考えられています。また、ナイアシンという物質はビタミンの一種で、皮膚や粘膜の健康を保つ働きがありますし、カリウムという物質はナトリウムとのバランスを取りつつ、血圧を調整するという重要な働きがありますので、高血圧が気になる方にはお勧めです。
モモの中に含まれる放射性セシウムについてですが、東京電力福島第一原発事故発生直後の平成23年に出荷されたものからは、現在の基準値である1キロ当たり100ベクレルをずっと下回る低いレベルの放射性セシウムを検出したものが散見されました。しかし、今年に入ってから福島県で測定されたモモについては、ほとんど全てで放射性セシウムは検出されていません。
また、同じく今の季節、非常においしいブドウやナシについても、今年に入ってから福島県産のものでは放射性セシウムは検出されていませんので、安心して召し上がっていただければと思います。
現在、福島県はホームページで、モモをはじめとする果物の放射性セシウム濃度の測定結果を公表していますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
(カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A)