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双葉町の幼稚園、小・中学校仮設校舎がいわきに完成 施設充実、学び後押し

新しく設けられた仮設校舎の図書室。子どもたちに人気の児童書が多数並んでいる

 東京電力福島第一原発事故で全町避難している双葉町が、いわき市錦町に建設を進めてきた、ふたば幼稚園、双葉南、双葉北両小、双葉中の仮設校舎が完成し、24日、落成式が行われた。4月に銀行の事務所を間借りして学校を再開してから約5カ月。体育館がないなどの不自由さを乗り越え、町の将来を担う子どもたちの教育拠点がようやく整った。2学期が始まる25日、児童・生徒の元気な声が響き渡る。
 「子どもたちに新しい校舎で伸び伸びと学んでほしい」。昨年4月の着任以来、仮設校舎の建設に向けて町、町教委と準備を進めてきた日野俊隆双葉南小校長兼ふたば幼稚園長(51)は感慨深い表情で語った。
 ふたば幼稚園、双葉南、双葉北両小、双葉中は今年4月、いわき市錦町の東邦銀行植田支店錦出張所の事務所を借りて3年ぶりに再開した。しかし、事務所内を学年ごとに間仕切りして授業を行うため、どうしても隣の授業の声が気になった。体育の授業は、企業のグラウンドを借りて行ってきたが、急に雨が降ると、体育館がないため、他の教科に変更したり、雨が当たらない場所で体操したりと不自由さを強いられた。
 錦小近くの旧錦星幼稚園跡地に建設された仮設校舎は軽量鉄骨造りで、平屋の幼稚園園舎、2階建ての小・中学校校舎、体育館合わせて延べ床面積は1948平方メートル。これまでになかった理科室、音楽室などを設けた。図書室には人気の児童書を多数そろえた。
 伏見康弘双葉中校長(53)は「多くの関係者の協力で、工夫して授業を行ってきた」と1学期を振り返り、「新しい校舎は理科室などの特別教室が整備され、これまで以上に教育を充実させていきたい」と語った。渡辺由起子双葉北小校長(57)も「落ち着いた学習環境が整うので、これからの教育活動が楽しみ」と期待を寄せた。
 双葉中バドミントン部は、体育館がなかったため、雨の日は部活ができなかったという。同部に所属する1年の浪江侑加さん(12)は「体育館ができて思い切りバドミントンができる」と笑顔を見せた。
 仮設校舎に通うのは、ふたば幼稚園が年長児2人、双葉南小が1年生2人、双葉北小が5年生1人と6年生2人、双葉中が1年生4人、2年生3人、3年生1人の合わせて15人。町教委は少人数教育を充実させる考えだ。
 ただ、双葉町にはそれぞれの本校舎があり、町の帰還日程が定まらない中、各学校を将来的にどうしていくか決まっていない。町教委関係者は「児童・生徒をどのように確保していくかなど課題はある」としながらも、「整備した仮設校舎で双葉町の将来を担う子どもの教育に全力を尽くす」と前を向いた。


■町長「教育発信拠点に」落成式

 24日の落成式では、双葉町関係者ら約200人が出席し、仮設校舎完成が町の復興を担う人材育成につながることを期待した。
 伊沢史朗町長は「仮設校舎は、双葉町の教育の発信拠点となることを望む。町の将来を担う子どもたちに楽しく元気いっぱい学校生活を送ってほしい」と式辞を述べ、岡村隆夫町教育委員長があいさつした。
 標葉せんだん太鼓保存会が「稲妻」と「夏」の2曲を披露し、仮設校舎の完成を祝った。

カテゴリー:福島第一原発事故

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