東日本大震災

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「地域の灯」鬼ケ城に移す 紅葉ライトアップ再開 いわきの川前 1日から3日間

本番に向けて試験的に点灯された川前町のライトアップ

 いわき市の過疎中山間地域である川前町で16年間続き、東京電力福島第一原発事故を受けて昨年初めて中止された紅葉のライトアップが11月1日から3日までの3日間復活する。住民が「地域活性化の灯は消したくない」と再開できる方策を探ってきた。夏井川渓谷だった会場を地区内のいわきの里鬼ケ城に移すことで実現のめどが立った。準備を進めてきた川前町商工会の本田正吉会長(71)は「自然豊かな川前の魅力をもう1度発信したい」と前を向いた。
 紅葉ライトアップは平成9年に川前町の夏井川渓谷で始まった。赤や黄色に彩られたモミジやブナ、カエデなどが夜空の下で幻想的に浮かび上がった。渓谷を流れる川の音を聞きながら堪能できる光景が話題を呼び、毎年県内外から多くの観光客が訪れた。
 川前町をさらに発信しようと住民有志は14年、直売所「山の食。川前屋」をオープンさせた。雪の影響を受けない4月から11月までの営業で、野菜や川魚、漬物などの地場産品を販売し、好評を博した。
 しかし、原発事故を受けて状況は一変した。年間1300万円ほどあった売り上げは原発事故があった平成23年に約300万円にまで落ち込んだ。24年に約500万円にまで回復したが、経費を考慮すると運営継続は難しく、昨年春、廃業に追い込まれた。直売所の電気設備を使ったライトアップもできなくなった。
 「地域の灯が文字通り消えたようだ」と思った本田会長をはじめ、地域住民はライトアップの復活を模索。駐車場が確保され、行政の支援なども受けやすい地区内のいわきの里鬼ケ城での再開にこぎ着けた。
 本田会長は「川前に多くの人に来てもらい、笑顔になってほしい。新たな気持ちで頑張る」と色づき始めた山々を見上げながら力を込めた。
    ◇  ◇
 1日から3日までの鬼ケ城紅葉ライトアップは午後5時から午後8時まで行われる。
 2、3の両日の日中は収穫祭を開き、地場産品などを販売する。フラダンスや歌謡ショーも催す。
 問い合わせはいわきの里鬼ケ城 電話0246(84)2288へ。

ライトアップの準備を進めてきた本田会長

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