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執筆の高村昇氏に聞く 放射線Q&A連載150回終了

回答に込めた思いなどを語る高村教授

 東京電力福島第一原発事故の健康影響に関する身近な質問に福島民報紙上で答える「放射線 放射性物質Q&A」が150回を迎え、いったん終了した。県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大教授(原爆後障害医療研究所)の高村昇氏(46)が原発事故発生後の平成23年12月から毎週、質問に答えてきた。高村教授にコーナーや福島への思いなどを聞いた。
 -どのような思いで回答したか。
 「県民は原発事故という初めての体験をした。分からないことばかりで、不安を抱いた。初めは基本的な話から始まった。水道水に含まれる放射性物質など、できる限り公的機関の発表データを活用した。数字の持つ意味や注意点などを医学的な観点から詳しく解説した」
 -放射性物質に関する県民の意識の変化をどう感じるか。
 「原発事故直後の平成23年3月19日、いわき市で初の講演会を開いた。住民は放射性物質への不安から混乱し、パニックに陥っていた。数カ月で県民はインターネットなどから多くの知識を得たが情報が整理されていなかった。少しでも不安が和らぐよう、分かりやすい言葉で説明するよう心掛けた。時間の経過とともに、測定データの持つ意味などを正しく理解できる人が増えてきたと感じている」
 -今後、福島県とどのように関わっていくか。
 「県放射線健康リスク管理アドバイザーとして県内各地で放射線の健康影響に関する講演会を開いている。長期間の健康管理には専門的な知識が必要。今後も続け、知識に触れる機会を提供したい。長崎大は昨年4月、川内村に長崎大・川内村復興推進拠点を設置した。土壌、食品、水などの放射性物質測定や放射線被ばくと健康に関する健康相談などを実施している。村では帰還が進んでおり、さらなる復興に向け協力していく。これまで、過去の「Q&A」の内容をまとめた冊子を2冊発行した。3冊目の発行に加え、これまでの掲載記事を来年3月11日を目標に出版したい」

□たかむら・のぼる
 長崎市出身。長崎大大学院医学研究科修了。長崎大原爆後障害医療研究所・国際保健医療福祉学研究分野(原研国際)教授。専門は被ばく医療学。世界保健機関(WHO)本部の技術アドバイザー、テクニカルオフィサーなどを歴任。本県で県放射線健康リスク管理アドバイザー、県県民健康調査委員を務めている。46歳。

カテゴリー:福島第一原発事故

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