東日本大震災アーカイブ

常磐道3月1日全線開通 首相明言「復興の起爆剤」

 常磐自動車道の常磐富岡-浪江インターチェンジ(IC)間(延長14・3キロ)は来年3月1日に供用開始となる。三郷(埼玉県)-亘理IC(宮城県)間の全線が開通する。安倍晋三首相が2日、遊説先の相馬市で来年の大型連休前としていた開通予定を前倒しする方針を明らかにした。浜通りの「大動脈」がつながり、復興に向けた物流や人的交流の促進が期待される。
 安倍首相は「復興を加速させるため、常磐道の全線開通を(大型連休より)2カ月間、思い切ってさらに前倒しする。東北の復興の起爆剤に活用しよう」と語った。
 当初、常磐富岡-相馬IC間は平成23年度内の開通を目指していたが、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故のため工事が中断した。今回開通時期が示された常磐富岡-浪江IC間は環境省の除染後の25年3月、2年ぶりに工事を再開。現在は路面の舗装工事を進めている。
 東日本高速道路は「資材不足などの中、厳しい工程になるが全力で取り組み、(3月1日の)開通を目指す」としている。
 震災と原発事故の影響で整備が遅れていた区間では、24年4月8日に南相馬-相馬IC間が先行して開通した。浪江-南相馬IC、相馬-山元(宮城県山元町)IC間はそれぞれ6日に開通する。