東日本大震災アーカイブ

被災地の今知って OECDスクール参加の中高生ら 製作の映画 東京で上映

学生が製作したドキュメンタリー映画を披露した上映会

 福島大が運営するOECD東北スクールに参加した中高生らが製作したドキュメンタリー映画「東北復幸祭『環』 in PARIS-こどもたちが見つめた死・再生・未来」の特別上映会は11日、東京都港区のミッドタウン・タワーで開かれた。上映会は今後、いわき市などで開かれる予定。
 スクール生でつくる実行委員会の主催。8月にフランス・パリで開いた東北復幸祭「環」で約2年半の活動を終えた東北スクールの取り組みを多くの人に知ってもらおうと初めて企画した。会社員や教育関係者ら約80人が参加した。
 映画は、スクール生が東北各地の震災の被害状況と復興の歩みを追った映像に、復幸祭の運営に奮闘するスクール生の姿を加えてまとめた。東京電力福島第一原発事故に伴う大熊町民の避難の過酷さや、原発事故に伴う放射性物質に苦しむ、いわき市の漁業関係者の姿を中高生の視点から捉えている。
 上映会終了後、映像を撮影・編集した湯本高3年の佐藤洸希君と、南相馬市小高区出身で日大1年の根本李安奈さんがあいさつ。佐藤君は「被災地の今を正しく知ってもらいたいと思いを込めた。多くの人に見ていただいてうれしい」と感謝の言葉を述べた。
 東北復幸祭には、福島民報社が委嘱した平成26年度ふくしま復興大使の込堂(こみどう)あす美さん=浪江町、原町二中1年=、中村圭佑君=いわき市、平工高3年=、畠山せえなさん=猪苗代町、郡山高3年=が参加した。

映画に込めた思いを語った佐藤君