東日本大震災アーカイブ

ドキュメント(2014年11月11日〜12月10日)

■11月11日
 ・佐藤雄平知事(66)は、2期目の任期満了を迎え、退任した。佐藤知事は、任期満了に伴う10月の知事選で初当選した前副知事の内堀雅雄氏(50)と事務引き継ぎに臨んだ
 ・東京電力福島第一原発事故に伴う甲状腺検査に関する評価部会は、事故発生時に18歳以下の57人が甲状腺がんと診断された結果と放射線の影響などについて、平成26年度中に報告書をまとめる。福島市の杉妻会館で4回目の会合を開き、部会長の清水一雄日本医科大名誉教授が明らかにした
■12日
 ・任期満了に伴う10月の知事選で初当選した内堀雅雄氏は知事に就任し、県庁に初登庁した。内堀知事は東日本大震災と原発事故からの復興に向け、双葉郡など避難区域が設定された12市町村を対象とする将来ビジョン、第3次県復興計画の策定に着手する考えを示した
■13日
 ・資源開発大手の石油資源開発(本社・東京都)が新地町の相馬港4号ふ頭に整備する液化天然ガス(LNG)基地が着工し、現地で起工式が行われた。平成29年12月の完成、30年3月の操業開始を目指す
■14日
 ・原発事故で全村避難となった飯舘村の住民2837人は、東電に損害賠償の支払いを求め、原子力損害賠償紛争解決センターに裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立てた。申立人数は村の全人口の約半数に当たる。代理人を務めている弁護団によると、他にもADR申し立てを希望している村民が多数おり、人数は増える可能性がある
■15日
 ・原発事故の避難者向けに、県が郡山市に初めて整備した県営災害公営住宅2棟へ入居する住民の引っ越し作業が本格化した。同日以降、2棟に計39世帯が入る予定
■17日
 ・原発事故に伴う除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設をめぐり、環境省は施設への廃棄物輸送が円滑に行われるよう、常磐自動車道へのインターチェンジ(IC)新設を検討する。参院東日本大震災復興特別委で望月義夫環境相が明らかにした
■18日
 ・福島市大波地区と伊達市霊山町雪内、谷津両地区の住民合わせて1241人(409世帯)は、原発事故で被害を受けたとして、東電に1人当たり月額10万円の賠償を求め、原子力損害賠償紛争解決センターにADRを申し立てた
■19日
 ・原発事故に伴う県内の除染廃棄物を保管する政府の中間貯蔵施設をめぐり、30年以内に県外で最終処分すると明記した日本環境安全事業株式会社(JESCO)法の改正案(中間貯蔵施設関連法案)は、参院本会議で可決、成立した
■22日
 ・福島第一原発での事故を想定した県、川内村の原子力防災住民避難訓練は、川内村などで行われた。県の広域避難計画に基づく初の訓練
■27日
 ・再生可能エネルギー買い取り中断問題で、経済産業省は東京電力に対し、県内で発電した再生エネの買い取りを求める。福島第一原発事故に伴い福島第一、福島第二両原発周辺で現在使用していない東電の送電網を活用し、県内から関東方面への東電による再生エネ供給を考えている。宮沢洋一経産相が県庁で内堀知事と会談し明らかに
■12月2日
 ・衆院選が公示され、県内5選挙区には5党から前職7人、新人9人の計16人が立候補。自民党総裁の安倍晋三首相、民主党の海江田万里代表が震災と原発事故で大きな被害を受けた浜通りで「第一声」を上げ、復興に懸ける姿勢をアピールした
 ・常磐自動車道の常磐富岡−浪江IC間(延長14・3キロ)は来年3月1日に供用開始となる。三郷(埼玉県)−亘理(宮城県)IC間の全線が開通することに。安倍首相が、遊説先の相馬市で来年の大型連休前としていた開通予定を前倒しする方針を明らかにした
■3日
 ・県とデンマーク大使館は、経済交流を促進し、福島県の復興と相互利益創出に貢献する覚書を交わした。再生可能エネルギー分野での商取引、技術提携を推進し共同開発を目指す
■4日
 ・内堀知事は就任後、初めてとなる12月定例県議会で所信表明を行い、震災と原発事故からの復興加速化を目指す県政運営の柱として「現場主義」など3つの基本姿勢、県内原発全基廃炉や避難区域が設定された地域の復興など5つの基本方針を示した
■5日
 ・村田文雄副知事の今月末の辞任で空席となる副知事について、内堀知事は県総務部長の鈴木正晃氏(58)を起用する方針を固めた
 ・県北地方の特産品「あんぽ柿」の全国への出荷に向け、伊達市のJA伊達みらい梁川共選場で出発式が行われた。原発事故の発生後、出荷は2年連続
 ・原発事故に伴う除染廃棄物を保管する国の中間貯蔵施設をめぐり、環境省は建設用地の確保前でも年内に一部工事の入札を実施すると発表。環境省幹部は「できるだけ早く廃棄物を仮置き場から搬出してほしいという地元の要望がある。用地の確保後、速やかに工事を始めるための準備」と説明した
■6日
 ・常磐自動車道浪江−南相馬IC間(延長18・4キロ)と相馬−山元(宮城県山元町)IC間(同23・3キロ)が開通。相双地方から仙台市までが直結した

カテゴリー:震災から3年9カ月