東日本大震災アーカイブ

天神神社待望の再生 石段や鳥居復旧、落成式 白河

石段前でテープカットする(左から)星さん、須藤議長、今井会長、鈴木市長、笹島会長

■テープカット、餅まき

 東日本大震災により石段と鳥居、灯籠が壊れた白河市天神町の天神神社は復旧事業を終え、1月31日に石段前で落成式が行われた。11日の「白河だるま市」を前に、地域住民の"心のよりどころ"が元通りに戻り、関係者は胸をなで下ろした。
 鹿嶋神社の和知延宮司が祝詞を奏上し、復旧を進めた天神町方部活性化協議会の今井令雄会長らが玉串をささげた。今井会長が「震災前の姿に戻った神社をみんなで盛り上げ、地域活性化につなげたい」とあいさつした。鈴木和夫市長、須藤博之市議会議長が祝辞を述べた。
 二基の鳥居のうち一基を遺志により寄贈した故須釜誠一さんに感謝状を贈った。須釜さんは神社の世話人を務め、昨年4月に57歳で死去した。感謝状は父親の正孝さん(87)が受けた。
 今井会長、鈴木市長、須藤議長、笹島茂夫天神町町内会長、活性化協議会理事の星荘治さんがテープカットした。和知宮司を先頭に落成式の出席者や地域住民が石段の通り初めをした。
 復興を祈念し、神社境内で天神町青梅会主催の餅まきが行われた。餅は商品券などの賞品が当たるくじ付き。多くの住民が訪れ、餅をつかみ取った。子どもたち向けにお菓子もまいた。
 復旧事業は平成25年7月、地元の各種団体が活性化協議会を立ち上げてスタートした。約700万円の費用は、各団体が出し合った資金や住民の浄財などを充てた。天神神社と神社がある天神山が昨年4月、市指定史跡となったことから市の補助金も活用した。

子どもたちや地域住民でにぎわった餅まき