東日本大震災アーカイブ

復興の歩み実感 林景一駐英大使インタビュー

復興を支える思いを語る林駐英大使

 東日本大震災・東京電力福島第一原発事故の被災地復興を英国で支援している林景一駐英大使(64)は28日、ウィリアム王子とともに来県した。福島民報社のインタビューに答え「遠く離れた国にも福島県を思う人が大勢いる。県民の皆さんが一歩でも前に進むことができるよう、お手伝いをしていく」と語った。
(聞き手=福島民報社編集局長・芳見弘一)

 -震災翌年、欧州各国駐在大使らとともに本県の被災状況を視察している。3年ぶりの本県の印象はどうか。
 「3年前は原発事故の大変さを感じた。今回はキッズパークなどを見て、たくさんの人と会って、少しずつ前に歩みが進んでいることが分かった」
 -本県の現状を英国や欧州はどう見る。
 「海外から見た"FUKUSHIMA"と実際の"福島"に温度差がある。原発周辺の方が戻れないで大変苦労なさっていることを忘れてはならないが、それ以外のところの風評被害についてはさまざまな福島県産品の規制措置などが少しずつ緩和されてきている」
 -大使は以前、ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式に参列した。王子の人柄や被災地への思いは。
 「生まれて初めての訪日で、限られた日程を東北に当てた。日英の友好親善が王室の大きな目的だと思うが、震災復興支援を意識していただいたと思う。農水産品や観光を大きな資源としている福島県にとって、訪問自体がサポートになる。子どもたちへの励ましなど、県民一人一人を思いやる気持ちが伝わったのではないか」
 -英国ではロンドンしゃくなげ会が復興支援活動を続けている。福島県は今年からロンドンの大学と連携し情報発信と風評払拭(ふっしょく)に努める。内堀雅雄知事も訪英する。英国と本県の絆が一層強まる。県民へメッセージを。
 「日英の交流が学術面でも進むことは素晴らしい。英国の県人会も頑張っている。私たちも皆さんが一歩でも前に進むお手伝いをする。遠い国からエールを送る人たちがいるという気持ちを持って頑張ってほしい」

■本県復興を応援

 林大使は山口県出身、京大卒。外務省条約局長、国際法局長、駐アイルランド大使、官房副長官補などを経て2010年に駐英公使、2011年から大使。東日本大震災後、英国民に被災地支援への感謝を伝えるとともに、大使館で本県産酒の利き酒会を開くなど復興を応援している。福島民報社の「復興大使」派遣をきっかけに、福島庭園誕生に力を尽くした。昨年はロンドンしゃくなげ会と福島民報社が共催した英国国会議事堂での「起き上がり小法師(こぼし)展」に協力した。