東日本大震災アーカイブ

県内団体を表彰 地域密着の震災復興活動

大賞のトロフィーを手にする番場さん(右)と池上さん

 東日本大震災からの復興に向けて地域に密着した活動を続けている団体をたたえる初の「日本復興の光大賞」の表彰式は28日、東京都港区の明治記念館で行われた。大賞に輝いたベテランママの会(南相馬市)、特別賞のまちづくりNPO新町なみえ(二本松市)ら受賞団体をたたえた。
 日本トルコ文化交流会の主催。ベテランママの会の番場さち子代表に審査員長の池上彰さん、新町なみえの神長倉豊隆理事長に審査員の開沼博福島大うつくしまふくしま未来支援センター特別研究員がそれぞれ表彰状とトロフィーなどを手渡した。
 住民に放射能についての正しい知識を伝える勉強会を80回開いた番場代表は「生き残った私が何かしなければとの思いで活動を始めた。これからも淡々と、地域に寄り添って活動を続けていく」と誓った。
 避難生活を送る浪江町民の絆を維持しようと取り組んでいる神長倉理事長は「浪江に子どもや孫が住めることがわれわれの希望。浪江の復興に関わる人を代表しての受賞だ」と古里再生への決意を新たにしていた。
 池上さんは「各団体が国や行政の支援をただ待っているのではなく、自分たちでやることをやろうと立ち上がって活動したことが本当に素晴らしい」と講評した。
 「日本復興の光大賞」は、震災の風化防止と被災地の復興を願い創設された。明治23年、和歌山県沖で遭難し、住民により多くの乗組員が救助されたオスマン・トルコ帝国の軍艦にちなみ「エルトゥールル号からの恩返し」と題して毎年実施する。