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郷土愛育て観光復興 初のいわき学検定 地域学会10月実施

里見さんを振り返りながら検定実施に向けて準備する吉田さん

 いわき市の文学や歴史、自然などを研究し、後世に伝える活動を続けている、いわき地域学会(吉田隆治代表幹事)は10月、初の「いわき学検定」を行う。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から4年余。地域の魅力を見詰め直し、市民の郷土愛を育むとともに、いわきのファンを増やし、観光復興につなげる。

■優秀者に「博士号」 初代代表幹事の遺志継ぐ
 「片寄平蔵が内郷白水町弥勒沢で石炭の露頭を発見したのはいつか」「いわき各地の獅子舞には3頭の獅子が登場するが、その性別は」-。人口や気候、市民の生活などいわきの現状に関する問題から、歴史や文学、伝統行事、自然など幅広い分野から出題する。現在、副代表幹事の夏井芳徳さん(55)が中心となって問題の作成などの準備を進めている。
 検定は一次と二次に分けて実施し、誰でも受検できる。一次は4つの選択肢から解答する100問で、90点以上の受検者が記述形式の二次に挑戦できる。一次と二次の成績を総合的に評価し、特に優れた成績の受検者には「いわき学博士号」を授与する。6月中旬にも受検者を募集し、10月に一次検定、来年1月に二次検定を行う予定だ。
 出題問題の解説書や学習参考書を作成するなど、学ぶ意欲を高めるための取り組みも検討している。
 検定をめぐっては、いわき地域学会の初代代表幹事で、県教育委員長、市観光物産協会長などを務めた故里見庫男さんが「郷土愛を育て、観光振興にもつなげよう」と提唱したが、平成21年4月6日、68歳で死去した。
 いわき観光まちづくりビューローは里見さんの遺志を受け継ぎ、検定の実施に向け、21、22年度に基礎講座を開催した。市の概要や歴史、自然について学ぶ機会を市民に提供した。
 だが、23年3月に震災と原発事故が起きた。いわき観光まちづくりビューロー、いわき地域学会の関係者も震災と原発事故への対応に追われた。
 震災と原発事故から4年がたち、ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)など観光復興への取り組みが進められる中、里見さんの思いを再び実現しようという機運が高まった。
 里見さんと共に、いわき地域学会の設立に携わり、現在、代表幹事を務める吉田隆治さん(66)は「里見さんが志した取り組みを一つでも実現できればうれしい。いわき学が市民にとって未来に進むための一助になってほしい」と期待を込める。

【背景】
 ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)を契機に古里を学ぶ検定を行う動きが県内で出ている。棚倉町と町観光協会は今年2月、ご当地検定「第一回棚倉ふるさと検定」を実施した。1級の合格者が4月のDC本番から観光ガイドボランティアを務め、観光客の受け入れに協力している。

※いわき地域学会 昭和59年に発足した。約30年間、地元を研究し続け、市民講座や自然観察会などを通じて市民への研究成果の還元に努めている。顧問には県立博物館長の赤坂憲雄氏、アクアマリンふくしま館長の安部義孝氏、文芸評論家の粟津則雄氏、東京農大名誉教授の小泉武夫氏らが名を連ねる。現在の会員数は約180人。

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