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DC効果、観光客1332万人 県内4~6月

 県内で4月から6月まで繰り広げられた大型観光企画「ふくしまデスティネーキャンペーン(DC)」期間中の観光客入り込み数は1332万1667人に上り、東日本大震災以降で最多となった。経済波及効果は約295億円と試算され、内堀雅雄知事は「成功と評価できる」とした。県はDCで盛り上がった観光の機運と誘客事例を各地に広げ、地域振興につなげる。

 内堀知事と、ふくしまDCを企画したJR東日本の向山路一水戸支社長、松木茂仙台支社長が24日、福島市で共同記者会見し、発表した。
 県内の観光客入り込み数の推移は【グラフ】の通り。今年の数値は県内の主な観光地・施設計252地点を集計した速報値。平成26年までは県が精査した上での確定値となっている。今年は前年に比べ約122万人(10・1%)増えた。震災と東京電力福島第一原発事故前の22年と比較すると約9割まで回復した。
 震災後の最多はこれまで、NHKの大河ドラマ「八重の桜」放映と東北六魂(ろっこん)祭の効果で約1324万人を集客した25年だった。今回はさらに約8万人上回った。
 地域別に前年同期比の伸びを見ると、浜通りが約34万人(17・0%)増と最も多い。次いで会津約64万人(14・4%)増、中通り約24万人(4・3%)増となった。
 内堀知事は記者会見で、浜通りの観光客数が伸びた要因について、常磐自動車道の全線開通や3月の上野東京ライン開業などによる利便性の向上を挙げ、「復興が進んでいることが県内外に発信でき、DCとの相乗効果が表れた」と分析した。
 とうほう地域総合研究所の試算では、土産物の購入や飲食などによる直接効果を約116億円、原材料費などの増加による県内企業への第一次波及効果を約147億円、雇用者所得の増加による消費拡大の第2次波及効果を約32億円とした。
 DCの成果について、県商工会議所連合会の本田政博事務局長は効果波及を評価する一方で「地域によって取り組みに温度差があったのも事実。5年後の東京五輪を見据え、DCを一過性の誘客にしないことが重要」と指摘した。
 DCは24年に岩手、25年に宮城県でも実施されたが、いずれも観光客入り込み数は、震災前の22年の実績を上回らなかった。

■教育旅行、海外誘客に課題
 DCでは県内観光に明るい兆しが見えた一方で、教育旅行や外国人観光客入り込み数が回復せず、依然として原発事故の風評の影響を受けていることが浮き彫りとなった。
 県は、二本松少年隊にちなむパフォーマンス集団を編成したり、英会話教室を開いたりして観光客を歓迎した二本松市や、甲冑(かっちゅう)の着付け体験を実施した南相馬市など住民が主体となり成果を出した実例を参考に各地できめ細やかな事業を展開する考えだ。
 県と県観光物産交流協会は8月末から、観光振興のために各地域のリーダーを育成する講座を開く。来春のアフターDCに向け、各地の地域資源を活用した旅行プランの策定や教育旅行の誘致、外国人観光客への対応のレベルアップも図る。

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