東京電力福島第一原発事故による影響を調べる甲状腺検査の本格検査(平成26、27年度)で、今年6月末までに甲状腺がんと確定した人は6人となり、同3月末現在の5人から1人増えた。8月31日に福島市で開かれた県民健康調査検討委員会で明らかになった。星北斗座長(県医師会副会長)は「(これまでの傾向などから)現時点で、放射線の影響は考えにくい」との見解を示した。
がんの疑いは19人で3月末現在の10人から9人増えた。「確定」と「疑い」の計25人は男性11人、女性14人で、東日本大震災当時、6歳から18歳だった。このうち、事故から4カ月間の外部被ばく線量が推計できた14人を見ると、最大は2.1ミリシーベルトで、1ミリシーベルト未満は4人だった。
23~25年度に実施した1巡目の先行検査の確定結果も報告された。6月末現在で甲状腺がんと確定した子どもは、3月末現在と同じ98人、がんの疑いは1人増えて14人となった。
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