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【震災から4年6カ月】「福島第一原発」 廃炉への道一歩ずつ

■格納容器にロボット投入 ミュー粒子で溶融燃料初確認

 東京電力は国際廃炉研究開発機構(IRID)の協力を得ながら福島第一原発でロボットによる原子炉格納容器の内部調査を始めた。状況を確認し、廃炉作業のヤマ場となる溶融燃料(燃料デブリ)取り出しにつなげる。
 1号機では4月に開始した。最初に投入したロボットは格納容器一階部分を反時計回りに進んだ。予定の三分の二ほどの場所で隙間に挟まれ動けなくなったが、14地点で放射線量や温度を測定したほか、様子をカメラで撮影した。2台目は予定通り半周し調査を終えた。東電は集めたデータを平成27年度末に予定している格納容器の地下調査に役立てる方針。
 2号機の調査は8月に行う予定だったが、ロボットを出し入れする格納容器の貫通部を覆うブロックの撤去が難航。大幅に遅れ、12月以降にずれ込んだ。
 3号機では10月に計測器付きの小型カメラを使って調査する計画だ。
 東電は2月から5月にかけて溶融燃料の状況などを把握しようと宇宙線から生じる「ミュー粒子」を利用して1号機を調査。原子炉圧力容器の中心部の核燃料がほとんど溶け落ちていることを確認した。溶融燃料の状態を確認したのは初めて。2号機でも実施する予定だが、新たに導入する装置が巨大である点や周辺での工事などが影響し、開始時期の見通しは立っていない。
 
■1、2、3号機プール内核燃料 29年度から取り出し
 
 東京電力福島第一原発の3号機使用済み核燃料プールでは、落下して廃炉作業の支障となっていた長さ約14メートル、重さ約20トンの大型がれき「燃料取扱機」を8月2日に水中から引き上げ、撤去した。東電は平成29年度予定の燃料取り出しに向け、プール内のがれき撤去などを続ける。
 3号機使用済み燃料プールには566体の燃料が残っている。撤去した大型がれきの下敷きになった燃料のうち、4体の上部に付いているハンドルが変形していたことが判明。燃料自体に大きな損傷はないとみられる。
 政府と東電は当初、27年度中に3号機の燃料取り出しを始める予定だったが、燃料取扱機の撤去などが進まず、29年度中に変更した。
 1号機には燃料392体、2号機には615体が保管されている。いずれも32年度の取り出し開始を目指している。
 
■研究機関や実証拠点整備計画進む
 
 東京電力福島第一原発の廃炉に向けて、県内では国内外の英知を結集する研究機関や実証拠点などを整備する計画が動きだしている。
 浜通りを廃炉やロボットの最先端地域とする福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想では、日本原子力研究開発機構(JAEA)の廃炉国際共同研究センターの付属施設「国際共同研究棟」の富岡町への整備が8月に決まった。同施設の整備費は約13億円で平成29年3月の完成を目指す。国内外の大学や企業の研究者が集まり、廃炉技術の開発などに当たる。
 JAEAが楢葉町に整備している楢葉遠隔技術開発センター(モックアップ施設)は10月下旬に開所する予定。研究管理棟と試験棟で構成される。作業員が廃炉の作業方法や手順を訓練する研究管理棟を先行して開所する。原子炉格納容器の実物大模型などが入る試験棟の業務開始は28年4月になる予定。
 内閣府、経済産業省、県は共同で既存の道路や橋などインフラを活用してロボットの実証試験を行う「福島浜通り実証区域」として8月に南相馬市の下太田工業用地を初指定した。小型無人機「ドローン」の飛行実験などに使われている。

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