東日本大震災アーカイブ

復活サケ釣り 楢葉の木戸川で5年ぶり

5年ぶりに再開した木戸川のサケ釣り。漁協関係者や愛好会員らが久しぶりの豪快な引きを楽しんだ

 楢葉町の木戸川で31日、5年ぶりにサケ釣りが復活した。サケの豪快な引きを楽しむ釣り人の姿に、木戸川漁協関係者は復興への手応えを感じ取った。
 サケ漁のやな場から下流1キロが釣りの区間。浅瀬には流れをさかのぼるサケが群れをつくる。同漁協組合員、木戸川釣り愛好会員らに限定しての実施で、この日は県内外から30人が参加した。
 午前7時、釣り開始の合図と同時に疑似餌や毛針が川に放たれた。釣り人の竿(さお)が次々に曲がり、体長約70センチのサケが水しぶきを上げた。
 東日本大震災後、放流事業がほぼ途絶えていたため、今年の遡上(そじょう)数は以前に比べ少ないという。いわき市の看護師佐藤和子さん(58)は大物を釣り上げ、「久しぶりの感触で興奮した。震災前のように、たくさんのサケが戻ってくる川になってほしい」と期待した。
 今回のサケ釣りは平成28年度以降、一般の釣り人向けに開催するための遡上数調査などが目的で、この日は70匹を捕獲した。1日も実施する。松本秀夫組合長(68)は「木戸川が釣り人のたくさん訪れた震災前の姿に、少しずつ戻っているのを実感する」と笑顔で語った。

カテゴリー:福島第一原発事故