楢葉町の除染に絡んで下請け業者幹部ら8人が逮捕された違法派遣事件で、青森県警は16日、職業安定法違反(労働者供給事業の禁止)の疑いで、除染の二次下請け業者「ジェイテック」社長の渡部博(62)=いわき市泉町滝尻字中瀬=、現場責任者だった嘱託職員の山本幸雄(63)=同市平下高久字下原=の両容疑者を逮捕した。一連の事件の逮捕者は計10人となった。
青森県警の調べでは、渡部、山本両容疑者は共謀し、平成25年11月から26年3月にかけて、三次下請け業者「泉友」(青森県大間町)の元社長(41)が違法に集めた労働者16人を受け入れ、643回にわたって楢葉町の住宅など17カ所で除染に従事させた疑い。渡部、山本両容疑者はいわき市内で逮捕され、身柄を青森県警に移された。いずれも黙秘している。
職業安定法は雇用していない派遣労働者を第三者の指揮命令の下で働かせる労働者供給事業(二重派遣)を禁じており、受け入れた側も罰せられる。事件では、泉友を含む三~六次下請けの幹部ら8人が労働者派遣法が禁じる建設業務に従事させたなどの疑いで逮捕された。
(カテゴリー:福島第一原発事故)