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【震災から4年9カ月】「年越し迎える仮設住宅」心身の健康保てるか 空き室増え孤立も 進む老朽化、改修望む声

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故による避難者のうち約1万9000人は県内各地の仮設住宅で年を越す。空き部屋が増え続ける中、住民の孤立をいかに防ぎ心身の健康を保つかが大きな課題となっている。一方、建物は老朽化が急速に進む。木製基礎くいの腐食やシロアリ被害も確認され、入居者から早急に改修するよう求める声が上がる。
 
■悩み
 
 11月末現在、県内の仮設住宅1万6403戸のうち38%に当たる6305戸が空き部屋となっている。避難者の見守り活動を担う県の生活支援相談員には「隣の人が引っ越してしまって孤独を感じる」という声が届くようになった。
 仮設住宅の空き部屋は平成25年11月末で全体の17%に当たる2888戸、26年11月末で25%に相当する4076戸と年々、増え続けている。生活支援相談員を統括する県社会福祉協議会は「隣人が不在になるという不安感は心を病む入り口になる恐れがある」と深刻に受け止めている。
 「家族がばらばらのままだ。一緒に暮らしたいが難しい」「仮設住宅を出た後に住む所がない」といった悩みが聞かれる。「体の調子が悪い」とする相談も絶えない。
 内閣府によると、震災と原発事故が原因とみられる県内の自殺者は今年1月から7月末まで11人に上り、このうち2人は仮設住宅の入居者だった。
 一方、仮設住宅と借り上げ住宅で避難者の心のケアに当たる生活支援相談員は不足した状態が続いている。県は今年度、400人を目標に募集したが、今月1日現在で活動しているのは274人。雇用が単年度契約であることなどが影響し敬遠される傾向にある。国の補助金を年度ごとに受けて事業を実施しているため、雇用形態を変えるのは難しいという。
 県社会福祉課は「制度を改めるよう要望しているが、現状では厳しい」としている。
 
■ピーク時から1万3643人減 入居状況
 
 県内の仮設住宅で暮らすのは11月末現在1万9373人に上る。入居者が最も多かったのは平成24年7月の3万3016人で、戸数が最多だったのは25年3月の1万6800戸。ピーク時から1万3643人、397戸減少した。
 災害救助法で仮設住宅の入居期間は原則2年以内と定められているが、県は平成29年3月まで延長した。災害公営住宅整備の遅れに加え、古里への帰還時期が見通せないため仮設住宅にとどまるケースが多いとみている。
 
■シロアリ被害 補強日程 流動的 老朽化
 
 仮設住宅で木製基礎くいとシロアリ被害が確認された問題で、県から入居者に詳細な補強工事の日程は伝えられていない。今年度内に完了させる予定で、「できるだけ前倒しして工事を進める方針のため、スケジュールは流動的な部分がある」のが理由だという。
 県内の仮設住宅181団地のうち12団地で、木製基礎くいの腐食やシロアリ被害が見つかった。くいが腐食していたのは7団地214棟、シロアリ被害があったのは7団地128棟で、このうち2団地121棟は両方が確認された。
 建物の基礎を支えるくいは構造上重要で、一般住宅には鋼製やコンクリート製が用いられている。しかし、仮設住宅は原則2年間の使用を前提に建設されたため、工期が短縮でき撤去時に敷地を元の状態に戻しやすいよう木製くいが利用された。
 シロアリ被害が見つかったいわき市の仮設住宅に住む60代の女性は「災害公営住宅に入居するまでは現在の場所で生活するしかない。早く修理してほしい」と訴えている。
 一方、県の一斉点検により木製スロープの腐食や雨どいの詰まりなど633カ所で修繕が必要な場所が見つかった。種別は【表】の通りで、年内に対策を完了させる予定だ。ただ、これ以外にも入居者から建物の修理の依頼が相次いでおり県は対応に追われている。

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