東日本大震災アーカイブ

楢葉の農業再生へ 支援策報告書が完成

松本町長に報告書を手渡す万福チームリーダー(右)

 楢葉町の農業再生に向けた農家への支援策などを検討してきたプロジェクトチームは14日、町に報告書を提出した。
 報告書では、(1)帰還する人、帰還を考えている人、帰還しない人などさまざまなケースを想定した支援策の提示(2)農地の具体的な利用、維持管理の手法の検討(3)楢葉町民に限らない将来の担い手の確保(4)農林水産分野でのイノベーション・コースト構想の活用(5)楢葉の原風景を取り戻し、浜通りをけん引する農業モデルを目指す-を基本方針に据えた。その上で、相談窓口の設置や販路開拓の支援、放射性物質への不安解消、担い手の育成、農業施設導入の検討など具体的な支援策を明記した。
 報告書の提出は町役場で行われ、プロジェクトチームリーダーの万福裕造国際農林水産業研究センター企画部技術促進科長が松本幸英町長に報告書を手渡した。
 松本町長は「町の復興には基幹産業である農業の復興は欠かせない。浜通りのモデルとなるような農業を楢葉で進めたい」と語った。
 プロジェクトチームは町が現在、改訂作業を進めている第二次復興計画の農業分野を協議するため、10月に設置された。研究者や農家代表ら専門家6人が3回の会議を開き、報告書をまとめた。

カテゴリー:福島第一原発事故