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中間貯蔵施設整備へ工程表 環境省方針 搬入見通し盛り込む

除染や中間貯蔵施設整備への考えを語る井上氏

 東京電力福島第一原発事故に伴う除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設について、環境省は今年度中に施設整備や廃棄物搬入の見通しを盛り込んだ工程表を公表する方針を固めた。井上信治環境副大臣が15日、福島民報社のインタビューで示した。
 工程表は今年度中にもパイロット(試験)輸送の終了を踏まえて作成する。平成28年度以降、数年程度の期間に実施する廃棄物搬入や整備の見通しを明確にする。関係省庁や自治体の意向を踏まえ、具体的に盛り込む内容を調整する。ただ、施設整備については前提となる用地取得が難航しているため、環境省の「目標値」として設定する方向だ。
 井上氏は「中間貯蔵施設の見通しについて住民が心配している。将来的な計画を示し、実現していくことが重要だ」と述べた。

■帰還困難区域の本格除染 29年度着手見通し
 東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域で平成29年度に本格的な除染が始まる見通しとなった。
 環境省は帰還困難区域の除染について、政府による区域見直しなどと連動して行う方針。放射線量や住民の意向、地域の将来像などを考慮し、地元自治体の意向を踏まえて具体的な実施場所などを検討する。29年度予算の確保に向け、今年夏にも除染の方針を決める。
 井上環境副大臣は福島民報社のインタビューに対し、「帰還困難区域全体の方向性を踏まえ、除染について地元の自治体と相談しながら計画を作っていく」と述べた。
 帰還困難区域では現在までに復興拠点や幹線道路などの除染が行われているが、区域全体の方向性は決まっていない。

■中間貯蔵再説明の意向 丸川環境相大熊、双葉町長に
 丸川珠代環境相は15日の閣議後の記者会見で、中間貯蔵施設整備に向けた進め方や考え方を大熊、双葉の両町長にあらためて説明する意向を示した。
 丸川氏は13日の自民党環境部会で渡辺利綱大熊町長、伊沢史朗双葉町長が発言したことに触れ、「中間貯蔵施設の進め方に地権者が不信感を持っていることについて発言があったと報告を受けた。環境省として、あらためて進め方や考え方を両町長に説明させていただく機会を持ちたい」と述べた。

■歌会始の作品で除染決意新たに
 丸川環境相は15日の閣議後の記者会見で、「歌会始の儀」最高齢入選となった福島市の菊地イネさん(82)の除染作業員をねぎらう思いを込めた歌に触れ、「政府が約束した期限に向け、しっかりと(除染)作業を進めていくとの思いを新たにした」と述べた。
 丸川氏は、菊地さんの歌を聞いたことで「多くの作業員に復興のために働いていただいていると、あらためて思うに至った」と話した。
 14日に開かれた歌会始の儀では、菊地さんの「休憩所の日向に手袋干しならべ除染の人らしばし昼寝す」が披露された。

■井上環境副大臣に聞く 林野庁と連携し対応 森林除染対象外地域
 井上信治環境副大臣は15日、福島民報社のインタビューに応じ、森林除染の対象外となる住民が日常的に立ち入らない森林は林野庁と連携して対応する意向を示した。
 ―帰還困難区域の本格除染の明確な方向性は示されていない。どう対応するか。
 「帰還困難区域の扱いを政府全体で考えなければならない。線量の見通し、住民の意向、復興のビジョンなどを総合的に勘案し、地元の意見も聞く必要がある。その上で再来年度(平成29年度)から何らかの形で進めていく。予算編成に間に合わせるため今年夏や秋までに方向性を示したい」
 ―森林除染をめぐり環境省は生活圏から離れた大部分を除染しない方針だが、住民から不安の声が出ている。
 「住民が日常的に立ち入る部分はしっかりと除染する。具体的な範囲は地元の要望を聞きながら考えていく。一般の住民は入らないが、林業が営まれる部分は林野庁の事業で森林再生を進めてもらう。環境省と林野庁で連絡調整が密にできる態勢を整えたい」
 ―中間貯蔵施設の用地取得が難航している。
 「昨年11月に発表した加速化プランに基づき取り組んでいく。各省庁や県などから人材を派遣してもらえるよう依頼している。政府全体で取り組まなければならない重要な事業であり、各省庁に協力してもらいたい」
 ―中間貯蔵施設整備の見通しを示すよう求める声がある。
 「今年度内にもパイロット(試験)輸送を終えて新たな段階に入る。来年度から数年後までを見据え、どう進めるかを示したい」
 ―県民にメッセージを。
 「難しい課題もあるが、結果を出していくことが重要だ。将来の見通しを示し、被災者が希望を持てるよう取り組む」

カテゴリー:福島第一原発事故

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