石井啓一国土交通相は10日、東京電力福島第一原発事故による避難者と、自主避難者の「父子・母子避難」世帯を対象にした高速道路料金の無料化措置を平成29年3月31日まで1年間延長する方針を示した。同日の公明党東日本大震災復興加速化本部などの要望に答えた。
国交省で要望書を受けた石井国交相は「高速道路無料化は地元の皆さんから強い要望がある。来年3月31日まで延長する案で調整に入るよう事務方に指示する」と述べた。
高速道路無料化は、避難先から一時帰宅する際などの経済的負担を軽減しようと、24年4月に避難区域などの避難者、25年4月に自主避難者を対象に開始した。避難区域などの避難者は6度目、自主避難者は3度目の延長となる。
かつての警戒、計画的避難、緊急時避難準備の各区域や、特定避難勧奨地点に住んでいた住民は国交省が指定する東北、常磐、磐越各自動車道のインターチェンジ(IC)から出入りすれば、首都高速道路など一部を除き全国の高速道路を無料で利用できる。対象地域の住民が運転、または同乗していることが条件になる。
自主避難者は、浜通と中通りから子どもと母親が自主的に避難し、父親と離れて暮らしている世帯などが対象となる。居住地と避難先にそれぞれ最も近いIC間の通行が無料になる。
■常磐線全線再開東京五輪までに 公明復興本部が要望
公明党東日本大震災復興加速化本部の要望では、政府内で平成32年の全線再開案が浮上しているJR常磐線について、同年7月に開幕する東京五輪・パラリンピック前の再開を求めた。
井上義久本部長は「東京五輪までに全線復旧をお願いしたいということが地元の思いだ」と述べ、早期復旧に向けJR東日本を指導するよう要望した。
復興加速化本部副本部長の若松謙維参院議員(比例代表、郡山市在住)と甚野源次郎党県本部代表、真山祐一衆院議員(比例東北)らが一緒に訪れた。
(カテゴリー:福島第一原発事故)