東京電力福島第一原発から半径10~20キロを試験操業の対象海域に加える県漁連の提案について、いわき市漁協は海域の拡大を認めるが、拡大した海域での試験操業は当面見送るべきとの回答をまとめた。10日、市内の県水産会館で開いた試験操業検討委員会で決め、その後の理事会で承認した。
本格操業に向け、試験操業海域の拡大は必要の考えで一致した。半径20キロ圏内での試験操業については「がれきの撤去がまだ手付かず。漁ができる環境にない」「採取した魚介類から高い放射線物質が出る恐れがある」「モニタリングを強化し、安全性を確認した上で実施すべき」など慎重な意見が相次いだ。
会議後、矢吹正一組合長は「市漁協は拡大する海域での試験操業については慎重に判断する必要があるとの考えだ」と語った。今後、半径20キロ圏内で試験操業するかどうかの協議は市漁協の底びき、船びき、さし網・カゴの各部会ごとに行う。
相馬双葉漁協は19日に試験操業検討委員会を開く。県漁連は両漁協の回答を踏まえ、22日の県地域漁業復興協議会、25日の組合長会議で協議する。
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