東日本大震災と東京電力福島第一原発事故を受けて県外から特別出向した警察官(ウルトラ警察隊)の帰県式は9日、福島市の県警察学校で行われた。県民の安全・安心の確保に尽くし、今月末で任期を終える114人をねぎらった。
石田勝彦県警本部長が笠間慶三警部補(警視庁から出向)に辞令、阿部瑞生警部補(北海道警から出向)に警察庁長官賞、黒沢充孝警部補(千葉県警から出向)に本部長賞詞を手渡した。石田本部長は「慣れない環境下で固い決意を持って職務に取り組んでくれたことに感謝したい」と述べた。
内堀雅雄知事は渡辺修司巡査部長(埼玉県警から出向)、渡辺博美県警察官友の会連合会長は寺田裕巡査部長(神奈川県警から出向)にそれぞれ感謝状を贈った。
渋佐克之県公安委員長、杉山純一県議会議長があいさつした。津幡崇史警部補(京都府警から出向)が答辞を読み上げた。
津幡、笠間、黒沢各警部補は式後、勤務を振り返った。
津幡、笠間両警部補は県警本部災害対策課特別警ら隊に勤務した。津幡警部補は「県民に励まされ、背中を押されることが多かった。京都に戻っても住民の声に耳を傾け続けたい」、笠間警部補は「皆さんからのご苦労さま、ありがとうの言葉がうれしかった。福島を離れるのは名残惜しい」と語った。
福島市出身の黒沢警部補は機動捜査隊に1年間勤務した。「県民の温かさや力強さをあらためて感じた。復帰後は復興の現状と住民の努力を広く伝えたい」と誓った。
(カテゴリー:福島第一原発事故)