環境省は12日、双葉町の中間貯蔵施設予定地に東京電力福島第一原発事故に伴う除染廃棄物を運ぶパイロット(試験)輸送を開始した。4月の双葉町議会全員協議会で本格輸送は時期尚早だとする意見で一致したため、輸送の安全性などの検証を伴う試験輸送を継続する。
初日は双葉町山田地区の羽黒沢仮置き場から町内の施設予定地内の保管場へ36立方メートルを搬入した。作業員がクレーン車で汚染土壌などが入った袋を10トントラックの荷台に積み、カバーを掛けて運び出した。
環境省によると、輸送車両は1日6~10台が稼働し、1台につき1~4往復する予定。
環境省の担当者は「今後も安全な輸送を心掛けて、実施状況を双葉町や県内関係機関に説明していきたい」と話した。
今年度は双葉、大熊両町の施設予定地に県内37市町村から約15万立方メートルを運び込む予定。
中間貯蔵施設の用地交渉で契約に至ったのは4月22日現在で2365人中107人、予定面積の約1.7%にとどまっている。
(カテゴリー:福島第一原発事故)