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側溝土砂 2月から除去 県管理の国県道 5年で完了目指す

 東京電力福島第一原発事故で汚染され、除染基準を下回る土砂などが道路側溝に堆積している問題で、県は来年2月にも県管理の国道や県道で除去を始める。放射性物質汚染対処特措法に基づく除染実施計画を策定した36市町村の128路線、最長約1100キロ全てを対象とし、5年間での完了を目指す。15日の県議会土木委員会で示した。
 県は12月補正予算案に関連費用として1億7000万円を計上した。いわき市がモデル地区としている小名浜地区の市道で来年2月から堆積物の除去を始めるため、県も並行して県道7路線、約31キロで作業する。7路線で発生する堆積物は計約3000トンを見込んでいる。
 市は除去した堆積物をモデル地区内の市有地に運ぶ計画で、県は県道の堆積物も同様に受け入れるよう市と調整している。運搬後は放射性物質濃度に応じて分別し、1キロ当たり8000ベクレル超の堆積物は指定廃棄物の最終処分場のフクシマエコテッククリーンセンター(富岡町)で処理するか、中間貯蔵施設に運ぶ。8000ベクレル未満の堆積物は一般の産業廃棄物処分場で埋め立てる見通し。
 復興庁は財源となる福島再生加速化交付金の申請手続きなどを定めた交付要綱を年内に市町村や県に示す。複数の市町村が除去計画を申請する見込みで、1月下旬には平成28年度の交付先が決まるとみられる。
 県は29年度以降は市町村の策定する計画を踏まえ、対象地域の県管理道路の堆積物を除去する。128路線の約1100キロ全てで実施した場合の費用は約50億円と試算している。ただし、山間部の道路など住民生活への影響が少なく、市町村が対応しない地域は除去の対象外とする方針。
 除染基準を下回った道路側溝の堆積物を巡っては、放射線の影響を不安視する住民が清掃を見合わせたり、処分業者が引き取らなかったりして詰まりによる路面の冠水や悪臭などの問題が出ていた。今村雅弘復興相は今年9月、市町村などの要望を受け国費で全額負担する方針を表明したことから、除去に踏み切る。

■仮置き場確保が課題
 側溝の堆積物の除去を円滑に進めるには、新たな一時保管場や仮置き場の確保が課題になる。
 保管場や仮置き場を新設したり、既存施設に運び込むには、地主や周辺住民の理解が必要となる。現状では中間貯蔵施設への搬入スケジュールも明確ではなく、交渉は難航も予想される。堆積物を受け入れる処分場の確保も重要になる。
 県は「県民の安全安心を確保するため、市町村と一体となって丁寧に説明していきたい」としている。

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